多くの謎が解けてきた・トラウマが病気を引き起こす仕組み
2021/11/25
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ここのところ、インターネットで論文を検索して収集しては読むというのが日課になっています。それも日本語での検索では全く情報が足りないので、主に英語のキーワードでの検索です。すっかり慣れてきました。
「エピゲノム」をキーワードに多くの謎が解けつつありますすでにお伝えしているところですが、幼少期に虐待やネグレクトを受けることが、大人になって以降、うつ病、不安障害のような精神的な疾患だけでなく・・・がん、心疾患、2型糖尿病など実に様々な疾患の原因になること、
特にACE(逆境的小児期体験指数)が6にもなると平均で20年も寿命が短縮されることが分かっています。また従来、発達障害とか愛着障害と言われ、脳自体の機能に障害があると考えられ、心理療法で対処するのは限界があると考えられてきたテーマがあります。
そしてエピジェネティクスと呼ばれる近年急速に発達しつつある研究分野において、上記のような問題がエピゲノムという、DNAをON、OFFする仕組みに関係があることが分かってきました。
そして、多くの問題が、「DNAメチル化ドリフト」と言ってDNAにメチル基が結合することでDNAがOFFになる、転写されなくなるということが関係しています。
実にほとんどの疾患にこの「メチル化ドリフト」が関係することもわかってきて、全く新しい治療法が開発されつつあるのです。
しかし、世界の最先端の研究でさえまだ盲点があるようです。
記憶の痕跡とエピゲノム、さらなる謎解きへ
一つの謎は幼少期に虐待やネグレクトを受けたことに起因すると思われるメチル化ドリフトがなぜ高齢者になっても残っているのかという問題です。というのは、DNAメチル化やその逆の脱メチル化もしょっちゅう起きているというのが基本で、可逆的な反応だからです。
エングラム (記憶痕跡)とエピゲノムの関係についても調べました。この両者には密接な関係がある、というより記憶痕跡というもの自体が特殊なエピゲノムであるということです。
しかし、あらゆる記憶、知識は記憶痕跡 として保存されているのだから記憶痕跡一般が問題を
起こすわけではありません。
いくつかの論文を参考にして考察しました。トラウマやネグレクト、ある種の事故のような、トラウマ記憶が問題を起こすのであれば、扁桃体つまり恐怖や不安、苦痛などの情動を伴う記憶であるに違いありません。
その記憶痕跡から生じる連鎖反応から、エピゲノムの変化が起こると考えればつじつまが合うのです。しかし、最初はニューロンの内部に生じたことが、なぜ、血液や口腔粘膜などからも特徴的なエピゲノム・パターンが見つかるのでしょうか?
さらには生殖細胞にまで影響するのでしょうか? 一体どうやって伝わるのでしょうか?
これが不思議でしょうがなかったのですが、これも多分答えが見つかりました。細胞外小胞です。細胞が様々な物質を小胞に包んで放出することで細胞間での物質や情報のやりとりが行われるのです。
さらに調べると、うつ病患者の脳由来細胞外小胞が、治療が進むにつれて変化するという研究論文がありました。ある研究論文は、脳由来細胞外小胞に注目するべきであり、その研究がぜひ
必要だと結ばれていました。
この研究が進んだらすごいことだと思います。血液検査で、影響を与えているトラウマが検出できるというような話になったり心理療法が順調に進んでいるかという客観的な指標に使えるからです。
無限に広がる心理療法の可能性
ここまでの話で全体像は掴めたかと思います。だから扁桃体にトラウマの痕跡として残された記憶痕跡 がある限り、全身的にエピゲノムの状態は保持されてしまうのです。
メチル化ドリフトに代表されるエピゲノムの問題のいわば上流に記憶痕跡があるということです。そしてそれは言葉に翻訳可能であれば消去できるわけです。
この話の結末は、心理療法によって、老化や病気を防いだり、治癒させたり、発達障害、愛着障害と呼ばれるような問題でも改善できる可能性があるということです。
記憶痕跡というのがスキーマの分子的実態であることはほぼ間違いなく、それを書き換えるということは、全身の細胞でのDNAの働き方にも影響を与えるということです。
そして、私たちが定期的に酵素断食を行う理由の一つは、そうすることで長寿遺伝子とか若返り遺伝子とも言われるサーチュイン遺伝子が起動しエピゲノムのエラーを修復してくれるからです。
最も深いレベルに働きかける心理療法と酵素断食、この組み合わせが非常に良いのです。
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