癒しの食卓エッセイ /酵素が豊富な食事とは?
2013/03/25
カテゴリーダイエットコラム
現代人は、酵素が不足している
現代人は酵素が不足しており、そのことが老化や病気を招いている、そう警告するのは、Killer Foods(邦訳名『無酵素食品が死を招く』)の著者、エドワード・ハウエル博士です。
実際に、酵素は、アメリカの医療現場などでは治療に使われ始めており、動脈硬化、ガン、アレルギー、エイズなど多くの疾患で成果を上げています。
人間の体は、分かっているだけで約3000種類の酵素をDNAの情報にもとづいて作り出していますが、その合成量には限界があるといわれています。
その一方では、人間は食物を消化するために毎日約10リットルもの消化液を分泌し酵素を消費しています。
消化に使われる、リパーゼやプロテアーゼは、消化のためだけでなく、体内でも様々な役割を持っています。
例えばリパーゼは、余分な脂肪を分解し、クレブス回路に導いて燃やす働きがありますし、プロテアーゼには、免疫細胞がアレルゲンや病原体などを分解するのにも使われまし、死んだ細胞や病変した細胞を分解するのにも使われます。
肉であれ魚であれ野菜であれ、生の食物というのは、生きた酵素を含んでいますから、それ自体が自らを消化する力を持っています。
果物が、どんどん熟れて、朽ちて、醗酵してゆく様を見るとそのことがよく分かると思います。
ところが、現代人は、過度に加熱調理 した食品や、加工食品、保存食品を多食するために、食事自体に含まれる酵素が乏しくなっているというのです。
そのために、食物を消化するためには、ほとんど自らが合成した消化酵素を持ち出して使わなければならないため、消化以外の目的で使える酵素の量が制限されてしまうというのです。
また、同じカロリーをとっても酵素を含んだ生の状態でとった場合には太り過ぎる事はなく、無酵素食品の多食が太りすぎる原因になっているといわれています。
こうしたわけで、現代人は、意識的に酵素を含んだ食品を食べる必要があるわけです。
酵素をとる方法は、肉でも魚でも野菜でもできるだけ新鮮な状態で生で食べるか、味噌、醤油、納豆、キムチなど発酵食品からとる方法があります。
酵素食品をどうとるか?
酵素食品を食べる具体的な方法ですが、生肉を食べる習慣は、特に韃靼(タタール)や韓国などにあり、牛肉をたたきで食べる方法もあります。
しかし、肉を生食することには、よほど肉を選ばないとリスクもあります。
その点、魚を生で食べることは、日本人にはなじみの多い食べ方で、別な章『魚をおしゃれに』で、魚自体も食品として優れている ことを述べました。
魚を生で食べることは、世界的に注目されており、例えばスシはいまや世界語になっていますし、ヌーヴェル・キュイジーヌ運動をきっかけにフランス料理などにも取り入れられています。
生野菜からも酵素をとることが出来ますが、食べられる量には限りがあります。
たくさんとるには、生野菜をミキサーにかけ、ジュースにするのはよい方法です。
スペインでは、夏場にガスパチョを飲む習慣がありますが、こういう習慣を取り入れることも出来ます。
ガスパチョは、ニンニク、タマネギ、トマト、ピーマン、キュウリ、セロリ、トウガラシに塩、オリーブオイル、ビネガー、レモン汁などを加え、ブレンダーにかけます。
本場風にとらわれなければ、たいがいの野菜は、加える事が出来ます。
例えば、ゴーヤなどを加えても美味しいものです。
果物は、まとまった量の酵素を取り入れるのには、最もよいものです。
中でも、酵素が多く含まれているものは、アボガド、パパイア、マンゴー、キーウイ、バナナ、パイナップル、イチジク、リンゴ、ナシ、ブドウなどがあげられます。
あとは、発酵食品ですが、味噌やしょうゆというものは、塩分を多く含むので、食べられる量には限界があります。
ある程度の量が食べられる発酵食品といえば、納豆と、キムチがあげられます。
インドネシアには、テンペというものがあります。
キムチは、酵素を多く含むうえ、乳酸菌を多く含むので、腸内環境の改善にも役立ちます。
韓国人は、肌がきれいといわれるのも、毎食のようにキムチを食するからだとも言われています。
ただ、日本で出回っているキムチと称するものの多くは、トウガラシで味をつけた浅漬けのようなものが多いです。
本物の発酵食品を見分けるポイントは、アミと呼ばれる小さなエビの醗酵物が加えられているかどうかを原材料の表示で確認することです。
もちろん、酵素飲料は、毎日確実に酵素をとれるよい方法です。
刺身料理のバリエーション
こういうわけで、魚は積極的に生で食べたいわけですが、私たち日本人は、刺身として普通に食べています。
ただ、刺身といえば和食というイメージにとらわれていないでしょうか?
洋食、中華、韓国料理のときにも刺身料理を加えることができればもっと、食べる機会が増えないでしょうか?
そこで、この章では、もっぱら刺身料理の、和食以外のいろんな食べ方のバリエーションを紹介しようと思います。
まずおすすめは、カツオです。
比較的安くて、たんぱく質はもちろん、EPAやDHA、鉄なども豊富で、調理しやすく、好まれやすく、いろいろな調理法になじみやすいからです。
本来カツオのたたきというのは、くしに刺して火であぶるものですが、家庭ではフライパンで簡単に作ることが出来ます。
私が調理する時は、フランパンにオリーブオイルを熱し、つぶしたニンニクを入れ、カツオをフライパンの中で転がしたあと取り出して、氷水につけます。
バリエーションによっては、先にスライスしたニンニクをオリーブオイルで熱し、別皿に取り出したあと、かつおを焼きます。
カルパッチョ風にするときは、オリーブオイル、レモン汁、白むらさき(白い醤油)をかけ、ニンニクスライスを散らします。
私が考えたDolce風というのは、シソの葉を使ったドレッシングで頂きます。おろしたニンニクをオリーブオイルで弱火で熱し、よい香りがたったらすぐに火を止めます。
これを冷ましてから、レモン汁、シソの葉、少量のマヨネーズ、白むらさき、ホワイトペッパーを加えてブレンダーにかけます。
すると、淡いグリーンのソースが出来ますが、これを白いお皿の上に丸く広げ、そこにカツオのたたきを盛り付け、あさつきを散らし、レモンのくし切りを添えます。
すると、フランス料理っぽく見えます。
韓国でも、刺身を食べるのですが、この場合、コチジャン、醤油、酢をブレンドしたものにおろしたニンニク、しょうがを添えます。
カツオのたたきも、これをつけてサンチェなどで包んでいただくといけますよ。
チゲとともに頂きましょう。
中華風は、「鯛の刺身中華風」が有名です。
ドレッシングは、しょうゆ、レモン汁、ピーナッツオイルが基本で、上から砕いたピーナッツと香菜(シャンサイ、コリアンダー)、コーンフレーク(本場では揚げたワンタンの皮)を散らします。
オイルは、好みによりごま油でもかまわないと思います。
カツオの場合、私は、老抽王(中国たまりしょうゆ)、鎮江香酢、ごま油の組み合わせで、やってみましたがこれもいけます。
チャーハンを食べながらでも違和感がありません。
マグロの中落ちと、アボガドを、オリーブオイル、レモン汁、白むらさきにまぶして、アボトロといったメニューもあります。
ほか、同じホタテの刺身も、すでに説明しましたシソドレッシングのニンニクの代わりに、ワサビを加えフレンチのように盛り付けるとか、アジは、オリーブオイル、ライム汁、白むらさきのドレッシングで、マリネ風で頂くとか、イワシの刺身を梅干を裏ごしした梅肉ソースで頂くなど、工夫次第で、彩り豊かなバリエーションが楽しめます。
いろいろやってみませんか?