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2型糖尿病発症のメカニズムと予防、体質改善法

Ⅰ・激増中!!他人事ではない糖尿病

糖尿病は、いまやありふれた病気になりつつあります。

 

厚生労働省が、2007年に行った「糖尿病実態調査」によると、「糖尿病が強く疑われる人」の890万人と、「糖尿病の可能性を否定できない人」の1320万人を合わせると、全国に、糖尿病か、境界線上にいる人が、2210万人いると推定されています。

 

1997年に行われた同調査で、「糖尿病が強く疑われる人」690万人、「糖尿病の可能性が否定できない人」680万人の合計1370万人、2002年に行われた同調査で、「糖尿病が強く疑われる人」704万人、「糖尿病の可能性が否定できない人」916万人の合計1620万人、2006年に行われた同調査では、「糖尿病が強く疑われる人」の820万人と、「糖尿病の可能性を否定できない人」の1050万人を合わせて糖尿病か、境界線上にいる人が、1870万人いると推定されていました。

 

このように調査を行う毎に状況はさらに悪化している事が見てとる事ができます。

糖尿病は、いまやありふれた病気になりつつあります。厚生労働省が、2006年に行った「糖尿病実態調査」によりますと、「糖尿病が強く疑われる人」の820万人と、「糖尿病の可能性を否定できない人」の1050万人を合わせると、全国に、糖尿病か、境界線上にいる人が、1870万人いると推定されています。

 

1997年に行われた同調査で、「糖尿病が強く疑われる人」690万人、「糖尿病の可能性が否定できない人」680万人の合計1370万人、2002年に行われた同調査で、「糖尿病が強く疑われる人」704万人、「糖尿病の可能性が否定できない人」916万人の合計1620万人をさらに上回り、調査を行う毎に状況はさらに悪化している事が見てとる事ができます。

 

血糖値が高い状態が慢性的にあっても、自覚症状は、殆どありませんが、進行すると、、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などの合併症を起こし、手足がしびれたり、男性の場合にはED(勃起不全・勃起障害)になったり、腎臓が機能しなくなって人工透析が必要になったり、失明したりします。

 

また、糖尿病になると、動脈硬化が急速に進むことから、心筋梗塞や脳梗塞にかかるリスクが何倍にもなります。

また、足などが壊疽を起こし、切断にいたるケースも少なくありません。

じりじりと、クオリティ オブ ライフを蝕み、死をもたらすこの病気は、今や誰にとっても他人事ではありません。

しかし、この病気は、防ぐこともできるし、たとえ罹っても、自然な方法で治癒が可能な病気でもあります。

ある医学サイトでは、糖尿病は、「完全に治すことはできません。

 

徹底的な制限食をして、運動をして、進行をできるだけ遅らせることと、早期治療によって合併症を防ぐことはできます。」という趣旨のことが書かれていました。果たしてそんなに悲観的に考えるべきなのでしょうか?

いいえ、この病気の根本原理を理解し、体質改善を実行すれば根治は可能です。
実際に、食べることも、生活全般も楽しみながら糖尿病を克服した人はたくさんいます。

 

この病気ほど、「病気は医者ではなくて自分が治すもの」という言葉が当てはまる病気はありません。

このコンテンツを参考にしていただければ幸いです。

 

そもそも糖尿病とは何でしょう?

まず、膵臓から分泌されるホルモンのインスリンの働きについて触れておきます。
人間の体の多くを占める部分、骨格筋、心筋、脂肪細胞などは、このインスリンが働くことではじめて細胞の中にエネルギー源である糖分を取り込むことができます。

 

だから、もし、インスリンが十分に分泌されなかったり、インスリンが働かなかったりすると、血液の中に糖分があっても細胞の中に取り込むことができなくなりますので、血液中には糖分がだぶつき、細胞の中ではエネルギーが不足するという状態が起こります。

こういう状態が糖尿病です。

 

糖尿病には、Ⅰ型糖尿病(インスリン依存性糖尿病、若年性糖尿病)と、Ⅱ型糖尿病(2型糖尿病・非インスリン依存性糖尿病、成人型糖尿病)に大別されます。

Ⅰ型糖尿病というのは、インスリンを分泌する膵臓のランゲルハンス島β細胞が、破壊され、インスリンが十分に分泌されなくなることで起こり、自己免疫疾患の一種と考えられています。

このタイプは、どちらかといえば稀で、殆どの患者を占め、しかも現在激増中なのは、Ⅱ型糖尿病(2型糖尿病)です。

 

Ⅱ型糖尿病(2型糖尿病)体を蝕むメカニズムは?

Ⅱ型糖尿病(2型糖尿病)というのは、インスリンを分泌することはできても、インスリンが作用しにくくなる病気です。

ただし、その中でも先天的にインスリンレセプター(細胞膜で、ホルモンなどをキャッチする小器官)の働きが悪くて発症するタイプも知られています。

ここでは、このタイプは、除き、現代人に激増している最も典型的なⅡ型糖尿病(2型糖尿病)に話題を絞ります。

 

Ⅱ型糖尿病(2型糖尿病)は、インスリンレセプターの数が減少したり、機能が低下したり、あるいは、GULT(glucose transporter 糖輸送担体)といって、細胞膜の表面から細胞の中へ、糖分を輸送するものの働きが悪くなって起こる病気です。

そして、血液中にだぶついた糖分が、ソルビトールという糊のようなものになり、血管を詰まらせたり、神経組織にダメージを与えたりするほか、メイラード反応という化学反応を起こす際に、大量の活性酸素を発生させますし、その上、血液中のたんぱく質とグリケーションという化学反応を起こして、細胞膜にダメージを与え、機能を低下させてしまいます。

細胞の中に、うまく糖分が取り込まれないということは、糖分ではエネルギーの供給が十分に行えなくなります。

そこで、体は、脂肪によるエネルギー供給を増やして、これを補おうとしますが、その結果起こるのが、VLDL(血中中性脂肪)やLDL(いわゆる悪玉コレステロール)の増加です。

 

また、高血糖の状態は、腎臓でのナトリウムの再吸収を増加させたり、ナトリウムとカリウムを代謝する酵素の働きを妨げ、その結果として高血圧も引き起こします。

 

その結果、血流障害、神経障害、動脈硬化、細胞機能自体の劣化などを引き起こし、こうしたことが、複雑に絡まりあいながら、体は蝕まれてゆくのです。

 

血糖コントロールのメカニズムは?

そもそも、どうしてⅡ型糖尿病(2型糖尿病)は起こるのでしょうか?

また、どうして激増しているのでしょうか?

それを理解するために、まず血糖値がコントロールされるしくみについて説明します。

 

私たちが食事をすると、炭水化物が消化され、糖分(主にブドウ糖)が小腸から血液中に吸収され、血液中の糖分が増加します。そうすると、膵臓のランゲルハンス島は、これを感知し、β細胞からインスリンを血液中に放出します。

 

インスリンが、骨格筋や脂肪細胞の細胞膜表面にあるインスリン・レセプターに結合すると、GULTというものが働いて、細胞膜の中に糖分を運び込みます。

また、肝臓も、糖分を取り込んでそれをグリコーゲンに蓄える活動を盛んにします。

こうして、血液中の糖分は、次第に細胞内に取り込まれて、消費されたり、蓄えられたりします。

 

今度は、血糖値が下がったり、あるいは、エネルギーが必要な状況になると、肝臓や筋肉が蓄積されていたグリコーゲンが分解されて、糖分が血液中に放出されます。

このグリコーゲンの分解を促進するホルモンは、グルカゴン、アドレナリン、糖質コルチコイド、成長ホルモンがあります。

特にストレスがかかったとき、脳が糖分の不足を感知したときに、視床下部から、アドレナリンや糖質コルチコイドを分泌する指令が出されます。

 

このようにして、血糖値は、一定の範囲内に保たれるようになっています。

 

血糖コントロールが破綻する過程

そのような精巧な血糖コントロールの仕組みが、いったいどうやって破綻するというのでしょうか?

その直接の理由は、「インスリン抵抗性」です。

インスリン抵抗性とは、同じ量のインスリンが分泌されても、それがより少ない作用しかしなくなることを指します。

では、インスリン抵抗性は、なぜ起こるのか、それは回復できるのか?

という問題については、後に触れてゆきたいともいます。

 

この、インスリン抵抗性は、徐々に進行しますが、だからといって即座に糖尿病が発症するわけではありません。

インスリン抵抗性が起こると、膵臓は、より多くのインスリンを分泌して血糖値を正常に保とうとします。

でも皮肉なことに、インスリンの分泌量が増えるにつれて、インスリン抵抗性は、ますます進行します。

そうすると、ますますインスリンの分泌量は増加します。こうした悪循環の結果、ある段階で、膵臓が疲弊してしまって、インスリンの分泌量が低下するか、あるいは、膵臓が分泌できるインスリンの量が限界に達し、それでも血糖値を正常に保てないほどにインスリン抵抗性が進行したとき、血糖値が正常範囲(空腹時で約80mg-100mg/dl、食後はもう少し高い)を超えて上昇するようになります。

そして、血糖値が、180mg/dlを超えるようになると、尿に糖分が排出されるようになります。

 

それでも、初期症状は、疲れやすい、だるい、のどが渇く、水をよく飲むようになり、尿が増える、食後にけだるくなる、いらいらする、体重の増減を繰り返す、異常に食欲が沸く、など糖尿病でなくとも起こりえるものばかりです。

だから、この段階で自覚するケースは稀で、病状が進行して診断が下ったあとで、振り返ってみればあれが初期症状だったと気づく場合が殆どであるといいます。

 

では、インスリン抵抗性は、どのように生じるのか? 病気はどのように進行してゆくのか、合併症はどのように起こるのか、どうやって防ぐことができるのか? といったことに話を進めたいと思います。

 

Ⅱ・鍵を握る「グリセミック・インデックス」

そもそも、糖尿病が増え始めたのは、食物を精製し始めてからだといわれます。
つまり、白い小麦粉、白い米、砂糖などが作られるようになったことと関係があります。

ここで、鍵を握る重要な概念を紹介します。それは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index、以下GIと略します)という指標です。

これは、その食品を食べたときに、どれくらい早く血糖値を引き上げるかを、ブドウ糖を直接摂取した場合を100として比較した数値です。
具体例

玄米の56に対して、白米84(別なデータでは、72)、ライ麦パン58に対して、食パン91、フランスパン93などの数値を見ると、精製した穀物とその製品は、非常に早く吸収され、急速に血糖値を上昇させることが分かります。

そして、急速に血糖値を引き上げる食品ほど、インスリンの分泌を刺激します。その結果、急速な血糖値の上昇と、その後急速な下降を引き起こします。

人間がこの世界に現れてから数百万年の中で見れば、食物を精製するということを始めたのは、ごく最近のことだといえます。

日本でも、米を精製することが一般的になったのは、江戸中期以降といわれます。
そして、人間の体は、急速に糖分の吸収が起こる食品に適応しきれていないといわれます。

 

「反応性低血糖」とは何か?

糖尿病は、血糖値が高くなる病気であることはよく知られています。

しかし、その前段状態が、低血糖だと述べると、頭が混乱しそうになるかもしれません。順を追って説明しましょう。

 

急速な血糖値の上昇が起こると、膵臓は、あわてて大量のインスリンを放出します。

その結果、急速な血糖値の降下を引き起こしますが、血糖値がちょうどよいレベルまで下がったときには、血液中に大量のインスリンが残っていることになります。
それで、今度は、時間が経つにつれて、血糖値が下がりすぎるという現象が起こります。

これが、 反応性低血糖と呼ばれる状態です。

 

そうすると、脳、神経系がエネルギー不足になりますから、集中力の低下、疲労感、空腹感などが起こり、また血糖値を急速に引き上げる食品が食べたくなります。

また、グリコーゲンを分解して血液中に放出し、血糖値を引き上げるホルモンには、グルカゴン、糖質コルチコイド、アドレナリン、成長ホルモンがありますが、急速な血糖値の低下に対しては、アドレナリンの放出が起こる傾向があります。

アドレナリンが分泌されると、人間は攻撃的になる傾向があります。

これが空腹時のイライラ感の原因になります。

 

反応性低血糖がひとたび起こると、また血糖値を急速に引き上げる食品、例えば、甘いものやスナック菓子のようなものが食べたくなる傾向があります。

甘いものだけでなく、ビールや日本酒なども、糖質を多く含むので、同様な反応を引き起こします。

極めつけは、清涼飲料類で、例えばコーラ飲料350mlには、砂糖が約40gも含まれていると聞くと絶句します。

そして、それが、だんだん習慣になる傾向があります。

しかも、反応性低血糖を繰り返すと、膵臓の反応はより過敏になり、インスリンを放出しやすくなるので、悪循環します。

つまり血糖値のアップ、ダウンは激しさを増してゆくのです。

そして、ダウンしたときには、より低い血糖値の状態が現れるようになります。

 

そして依存性になり、キレやすくなる

ひとつのポイントは、人間の体の中で、脳神経系は、原則として炭水化物だけを通常のエネルギー源にしています。

だから、血糖値のアップ、ダウンに反応しやすいのです。

血糖値が上昇すると、脳は、エネルギーを得やすくなるので、一時的に気分がよくなりますが、その後、急速に血糖値が下がる過程では、ストレスを感じます。不安や落ち込み、ネガティブな思い込み、被害者意識、苛立ちや怒りなどが起こりやすくなるのです。

そして、そこについにアドレナリンの放出が起こったとき、しばしば「キレる」と表現される、怒りの爆発を引き起こします。

 

しばらく前に、キレる子供が増えているということが盛んに問題にされていました。

最近では、キレる大人が増えていることが問題になっています。

40代、50代でも、街中や、交通機関の中でつい、かっとなって、暴力を振るうといった事件が多発しています。

こうした問題の背景には、社会全体にストレスが蔓延していることもありますが、反応性低血糖を起こしている人が増えているということの氷山の一角ではないかと思えるのです。

 

子供のころから、過度に精製された食品(ファーストフード、ジャンクフード、スナック菓子などがその典型)や清涼飲料類になじんできた世代が、キレやすくなり、その世代が中高年を迎えるにつれて、糖尿病へと移行してゆく、そんな図式が見えてきます。

反応性低血糖という状態が、実は糖尿病の前段状態であることから、膨大な予備軍が形成されているわけです。

また、最近では、清涼飲料水を飲みすぎて、急性の糖尿病、いわゆるペットボトル症候群(正式には、清涼飲料水ケトーシス)を起こして緊急入院する患者数も激増しています。

また、それをきっかけに、Ⅱ型糖尿病を発症してしまうケースもあります。
本来、Ⅱ型糖尿病は、急激には発症しないとされてきたことから、専門医でさえ、Ⅰ型糖尿病と誤診してしまうケースも起こっています。

 

Ⅱ型糖尿病はこうして発症する

反応性低血糖と呼ばれる、血糖値の急激な上昇と、降下を繰り返しているとき、インスリンは、過剰分泌が繰り返されています。

骨格筋細胞、脂肪細胞の細胞膜表面には、インスリン・レセプターが、細胞1個当たり、数十から数十万個とかなりのばらつきをもって存在していますが、インスリンの過剰分泌が繰り返されると、ダウンレギュレーションといって、細胞はレセプターの数を減少させてしまいます。

さらに、過剰な糖分が、細胞に押し込まれるということが繰り返された結果、GLUTと呼ばれる、細胞の中へ、糖分を運ぶものの機能も低下します。

 

また、脂肪細胞は、通常では、アディポネクチンといって、インスリンの働きをよくする物質を分泌しているのですが、肥満になると、この分泌が低下してしまいます。

 

つまり、反応性低血糖の状態が繰り返されることで、インスリンが効きにくい体になり、それでインスリンをもっと分泌するようになる、こうしたことが悪循環的に進行して、ある段階で、インスリンの分泌が追いつかなくなったり、膵臓が疲弊してしまったりすることで、血糖値が高いままになるようになります。

 

本来、血糖値が高くなると、インスリンの分泌が刺激されて、血糖値は下がり、ちょうどよい範囲に収まるという、ホメオスターシス(恒常性)が機能するのですが、それが破綻するわけです。

そして、血糖値がある水準を越えると、血液中にだぶついた過剰な糖分自体が、糖毒性と呼ばれる毒性を発揮し、インスリンの働きを妨害するようになります。
こうなると、更なる悪循環が始まります。

そして合併症が現れるまでには、さらに話の続きがあります。

 

また、糖尿病に至らなくとも、インスリン抵抗性が進んだ状態は、老化の促進要因になるといいます。

 

アンチエイジングの世界的権威である、クロード・ショーシャ博士も、ニコラス・ペリコーン博士も、細胞に糖分が急激に押し込まれる過程で、細胞膜に炎症が起こることと、だぶついた糖分が、たんぱく質と異常な形で結合する(グリケーション)により、AGE(奇しくも、年をとることを意味する’AGE’と同じスペルです)と呼ばれる有害物質を生み出して、これが細胞の機能を劣化させるといいます。

 

また、糖尿病やその予備群の人は、アルツハイマー病を発症するリスクが4.6倍高いことが、 九州大学の清原裕教授(環境医学)らによる追跡調査でわかりました。インスリンを分解する酵素であるネプリライシンは、アミロイドβを分解する酵素でもあるのです。

 

従って、インスリンが過剰な状態が続くとこの酵素の働きがアミロイドβまで行き渡らなくなるのです。アルツハイマー病のほか、がんや脳梗塞、心臓病も発病しやすいという。

 

合併症はこうして起こる

ここまでの話の中で、GLUT(糖輸送担体)というものが細胞の中にあって、細胞膜表面から、細胞の中に糖分を運び込む働きをしていることを紹介しました。

 

少し話は、ややこしくなるのですが、このGLUTには、実は5つのタイプが存在することが知られています。

このうち、骨格筋や脂肪細胞に主に存在し、インスリンの作用によって働くのは、GLUT4と呼ばれるタイプで、体全体の糖分の細胞への取り込みの70%程度を占めるといわれています。

 

それ以外のタイプは、実はインスリンに依存せずに、それぞれの調整メカニズムを持って、細胞内へのブドウ糖の取り込みを担っています。

だから、骨格筋細胞や脂肪細胞でインスリン抵抗性が起きて、インスリンが働きにくくなっても、GLUT4以外のタイプを持つ器官には、血糖値が高くなった分だけ、余分に糖分が入り込むことが起こりえます。

実際に、末梢神経では、消費しきれない量の糖分が細胞内に入り込んだ結果、アルドース還元酵素という酵素の働きで、それをソルビトールというものに変換します。

 

ソルビトールは、正常な体の中では、害になるものではなく、果糖に変換されて、エネルギーとして使われます。

しかし、血液にも、細胞内にも、糖分があふれかえった状況では行き場を失い、神経細胞の中にだぶつきます。

細胞は、それを薄めて浸透圧(細胞の中の溶液の濃度)を保つために水分を多く含んで膨れ上がり、正常な機能が損なわれてゆきます。

運動神経や感覚神経の神経細胞でこうしたことが起こると、それが手足の痺れなどとして自覚されるようになります。

しかし、自律神経で起こった場合には、直接は何も感じませんが、便秘や男性のED(勃起不全)といった形で現れてきます。

 

次々に破綻をきたす調整機能

脳細胞は、主にGLUT1やGLUT5など、インスリンに依存しない輸送担体を持ちます。

しかし、さすがに、脳は生命の中枢です。末梢神経で起こるように、神経細胞の中が大量のソルビトールであふれかえり、機能が損なわれるようなことを防ぐ特別な働きがあるのでしょう。

糖尿病になると糖分が脳細胞内に取り込まれるのを抑制するような調整が行われます。

先に、脳神経系は、原則として糖分のみをエネルギー源として用いると述べましたが、実は、緊急時には他の方法があります。

それは、脂肪から作られるケトン体というものを補助的にエネルギー源として使うことができるのです。

それで、糖尿病患者の血液中には、特に脳に安定したエネルギーを供給するためにケトン体というものが増加します。

これがケトーシスと呼ばれる状態です。

 

それで、とりあえず脳は守られるわけですが、このことは新たな問題を引き起こします。

つまり、脳の細胞の中に糖分が入りにくくなるわけですから、正常に近い血糖値を血糖値が低すぎる状態と認識するようになります。

健康な人ならば、低血糖症状を起こしたりはしないようなレベルの血糖値で、低血糖症状を起こし、アドレナリンや糖質コルチコイドを分泌して、グリコーゲンを分解して糖分を血液中に放出させる指令を出すようになってしまいます。

 

しかも、血液中に十分な血糖がある状態で、不足していると認識してしまうわけですから、過剰に空腹感を感じ、食べたいという欲求が起こってしまいます。

これが異常な食欲の原因で、ますます、過剰なカロリーを取り込んで、血糖値を引き上げ、肥満を招き、その結果、インスリン抵抗性をますます強化してしまいます。

つまり脳を守るために行われた対応が、血糖値が高い状態を慢性化させる結果になるわけです。

これが、さらなる悪循環です。

 

そうしてゆくうちに、ソルビトールは、血液中にもだぶついて、末梢血管を詰まらせて血行障害を招き、過剰な糖分が活性酸素やAGEという有害物質を大量発生させ、高血圧、高脂血症、高血圧、そして動脈硬化、細胞機能の劣化などの事態が連鎖的に起きてゆくのです。

糖尿病で、起こる確率のもっとも高い問題のひとつに、男性のED(勃起不全・勃起障害)があげられますが、糖尿病患者の内、40歳代で約4割、50歳代で約5割、60歳代で約6割がEDになるといいます。

これは、自律神経障害に加え、末梢血流の障害、動脈硬化などが複合した結果起こるものと考えられます。

 

メンタルな側面にもネガティブな影響が・・・

すでに、糖尿病患者は、本来低血糖症状が現れないレベルの血糖値で低血糖の症状が現れると述べました。

そして、急激な低血糖の症状の中に、キレやすくなるという症状が含まれることも述べました。

脳への糖分の供給が少なくなると、脳はストレスを感じます。

すでにストレスを感じている状態なので、そこにあたらなストレスが加わると、それを大きなストレスとして感じます。

そこで、アドレナリンの放出が起こり、怒りの爆発が起こりやすくなるのです。

もちろん、人の性格は様々です。

糖尿病患者でも、温和で、情緒が安定している人も少なくないでしょう。

しかし、傾向的には、反応性低血糖や糖尿病を患うと、情緒が不安定で、気が変わりやすく、不安や苛立ち,怒りを感じやすくなり、怒りの爆発を起こしやすくなるという一般的傾向は見られます。

 

さらに、近年では、糖尿病とうつ病には、相関関係があることが分かっています。
うつ病が、糖尿病の合併症の一つとも考えられるようになっているのですが、さらに最近、フィンランドの研究グループの報告によると、糖尿病の前段状態の、インスリン抵抗性が生じた段階から、その程度と、うつ病の発生率には、相関性が見られたといいます。

実際に聞いた話の中で、糖尿病患者である人が、些細なことに腹を立てて、配偶者を口汚く罵るといったことが頻繁に起こっているという話を多く聞きました。(そして、糖尿病が治るとともに、温和で協力的な性格になったケースも聞いています。)

 

先にも述べましたように、糖尿病を患うと、男性の場合平均して約半分の確率でED(勃起不全)にもなり、性行為ができなくなります。

それに加えて、こうしたメンタルな問題も抱えるとなると、夫婦関係そのものが崩壊に危機に瀕することもあるのではないでしょうか?

こうしたメンタルな問題も含めて、それを人格そのものの問題ではなく、「症状」として捉え、家族ぐるみで、治療に取り組むといったことができればいいのですが・・・

 

では、続いて、糖尿病は、果たして治せるのか?治せるとしたらどのように治せるのか? ということに話題を移したいと思います。
また、このことに関して、現代医学の立場からは、悲観的な見解が多く出されています。
しかし、私は、最新の臨床栄養学を学びながら、自然療法、栄養療法を現場で応用してきた立場から、現代医学の標準治療の考え方には、盲点があり、そこを補うことで、完全に克服可能な病気であり、合併症もひどく進まない限り、防いだり回復が可能であることを述べてゆきたいと思います。

 

Ⅲ・現代医学の盲点と完治への道

 現在の医学常識によれば、糖尿病を改善する鍵は、食事と運動といわれています。

 

食事は、カロリー制限をし、低脂肪、減塩が基本といわれています。カロリー制限は、血糖値をできるだけ上げないことと、肥満を防ぐ意味があります。

 

低脂肪の意味は、脂肪細胞が、脂肪で満たされてしまうと、糖分の取り込みをしなくなるから、間接的に血糖値を悪化させるからだといいます。

 

また、糖尿病患者は、ナトリウムを体内に溜め込みやすくなり、高血圧を招くといいます。

 

運動をすることも、大きなポイントになります。

先に骨格筋や脂肪細胞で糖分の取り込みを行っているGLUT4の働きは、インスリンに依存していると述べました。

しかし、骨格筋では、運動をしているときに、GLUT4が、インスリンの働きがなくとも、細胞膜表面に移動し、糖分を取り込むようになります。これをトランスロケーションといいます。

また、運動を継続すると、それは、骨格筋自身が、エネルギーを必要とする状況を作るので、GLUT4や、インスリン・レセプターの機能を回復させることができます。

 

ここまでの記事を読まれた方は、糖尿病のそもそもの原因は、血糖値の急速な上昇が繰り返された結果、インスリン抵抗性が起こり、ひとたび血糖値が高過ぎる状態が続くようになると、糖毒性によってインスリンの働きがさらに妨げられたり、脳の糖分の取り込みが低下し、脳が誤った指令を出すようになることから悪循環がおこってゆくということを理解されたと思います。

そうであれば、血糖値をできるだけ正常に近く、安定して下げておくことができれば、GLUTの働きも回復してだんだんに回復するはずではないか、と思われるでしょう。基本は、そのとおりです。

インスリン抵抗性という問題は、いわば、体の過適応ともいえることなので、可逆的な変化です。

また、近年では、DNA転写因子の一つNF-κb(エヌエフ・カッパ・ビー、最後から二番目の文字は、Kではなくてギリシャ文字のカッパです。)の働きが注目されています。この転写因子は、老化や癌にも深く関わっています。

 

(詳しくは、こちらの記事をどうぞ)新しい研究によると、この転写因子がインスリン抵抗性の原因だという事です。この転写因子の働きを抑えたらインスリン抵抗性も改善する事が分かったのです。

 

にもかかわらず、現代医学の中では、悲観的な見解が多いのはなぜでしょう?
ある糖尿病専門の医学サイトでは、「糖尿病は、ひとたびかかれば完全には治せませんが、早期治療によって合併症を防ぐことはできます」といった内容のことが書かれていました。

また、糖尿病の患者さんが、医師から提示されたのは、非常に厳しい食事制限に、お酒も一滴も飲めないという内容で、「一生、これを守らなければ、やがて足を切断したりして、早死にをする」と脅されたといった話も聞きます。

どうして、糖尿病は、そんなに現代医学で治りにくい病気なのでしょうか?

 

糖尿病は欠乏症だった!?

その昔、ヨーロッパでは、膨大な数の船乗りたちが壊血病で命を落としました。

例えば、インド航路を発見したヴァスコ・ダ・ガマは、船員の三分の二をこの病気で失い、クリミア戦争のとき、フランス海軍の死者は、戦死よりも壊血病による数が多かったといいます。壊血病が、単なるビタミンC欠乏症であると発見される前の話です。

 

その昔、日本では、数十万人が、脚気によって命を失いました。

 

特に明治時代になってから、数万人に及ぶ軍人が命を失いました。

 

後に脚気は、ビタミンB1欠乏症として知られるようになりますが、それよりはるか以前に、海軍の軍医が、白米のご飯に、麦を混ぜるだけでそれを防げることを発見していました。

 

にもかかわらず、陸軍軍医のトップだった森鴎外や当時の東大医学部は、伝染病説に固執し、被害を拡大したのです。

では、現代においては、こういう問題は、本当に過去のものになったといえるのでしょうか?

 

今、糖尿病をめぐっても、世界的に論争があります。それは、クロム、亜鉛などのトレース(微量)ミネラルの不足が、糖尿病の一因であり、それらを補給することで改善が得られるという説をめぐるものです。

そして、このことには、世界中で数多くの証拠が提示されています。1997年にDiabetes(アメリカ)という糖尿病研究のトップクラスの専門誌に、『クロムのサプリメントは2型糖尿病に有効』とする論文が載りました。

この研究はアメリカ農務省が補助金を出して、わざわざ中国へ行って調べたのです。

なぜ中国かというと、アメリカを始めとして先進諸国では多くの糖尿病者がビタミンやミネラルのサプリメントを既にとっていたからです。

 

ボストンのジョスリン糖尿病センターでは糖尿病者にいろいろなクロムのサプリメントを与えましたが効果はありませんでした。

そこで出した結論は『アメリカ人にはクロムの欠乏はない』というものです。
サプリメントが普及したアメリカで、それでも糖尿病にかかった患者さんの場合には、クロムの不足は関係がなく、それ以上多くとっても意味がないのでしょう。

 

では、日本人の場合ではどうなのでしょうか?

糖尿病に対しては、クロムのほかに亜鉛、セレニウム、バナジウムなども効果が報告されています。

では、現在分かっている、栄養素と糖尿病の関係について詳しく述べてゆこうと思います。

 

キーワード、それはGTF(クロム)と亜鉛

クロムと聞くと、有害な汚染物質と思うかもしれません。

実は、クロムには、6価と3価の形があって、6価クロムは、有害ですが、三価クロムは、必須栄養素です。

 

先に、脂肪細胞が分泌するアディポネクチンというものが、インスリンの働きを助けるということを述べましたが、もうひとつ、インスリンと、インスリン・レセプターの結合を仲介してその働きを助ける要素として、GTF(Glucose Tolerance Factor)というものが知られています。

GTFは、クロムと、ナイアシン(ビタミンB3)とアミノ酸が結合して体内合成されます。

当然、クロムが欠乏すれば、GTFの体内合成も低下します。

 

もうひとつ、亜鉛と糖尿病の関係です。

そもそも、亜鉛は、インスリンの構成要素であると述べれば十分でしょう。

 

糖尿病が発症するまでに、インスリン抵抗性が起こり、それでもバランスをとるために、インスリンが大量に分泌されている状態(=高インスリン血症)という状態を経由すると述べました。

そのときに、亜鉛は、激しく消耗されてしまうのです。

ひとつの可能性として、亜鉛の備蓄が底をつき、もう大量のインスリンを作ることができなくなったときに、糖尿病が発症するのかもしれません。

 

問題は、クロムや亜鉛の不足、欠乏ということが現代人に本当に起きているのかと言うことです。

 

近年の国民健康・栄養調査でも、鉄、亜鉛、銅に関して所要摂取量を下回っていることが明らかにされています。

クロムに関しては、調査の対象にさえなりませんでした。

厚生労働省が定めた所要摂取量は、男性35μg、女性30μgと必須栄養素として認識はされています。

しかし、これもアメリカFDAのRDA(摂取勧告量)が、成人で120μgという数値と随分開きがあります。

 

亜鉛やクロムというのは、もともと、食品を精製する過程で大部分失われる栄養素です。

全粒穀物、豆類、ナッツ、海藻類、イワシなどの魚、アサリ、ハマグリ、カキなどの魚介類には比較的豊富ですが、こうしたものを殆ど口にしない人も少なくないでしょう。

しかも、精製した炭水化物食品というのは、急激に血糖値を引き上げる(グリセミック・インデックスが高い)性質を持ちます。

つまり、ファーストフード、ジャンクフード、甘いもの、スナック菓子、清涼飲料、ビールや日本酒などが摂取カロリーに占める割合が高いならば、ミネラル不足と急激な血糖値の上昇によってインスリン抵抗性を引き起こす、ダブルパンチを受けることになるのです。

 

しかも、糖尿病を発症すると、腎臓の再吸収能力が低下することで、亜鉛やクロムなどのミネラルが、尿に多く捨てられるようになるのでますます不足させやすいというのです。まさに悪循環です。

糖尿病にかかる過程や原因、体質は千差万別と思われますので、すべてのケースに当てはまると断定するつもりはありませんが、少なくとも一部は、クロムや亜鉛を補給することが重要なポイントであるかもしれません。

 

実際に、こうしたものを補給することで劇的に改善したケースがあります。

 

グリセミック・インデックスこそカギを握る

ここまで読まれた方でカンのいい方は、糖尿病を防いだり、改善するために、ひとつの重要なポイントは、グリセミック・インデックスを低く抑えることではないか? と気づかれたかもしれません。

確かに、総カロリーの制限も大切な要素でしょう。しかし、そもそもなぜ過食におちいるのかという大きな理由が、急激な血糖値の上昇の後で起こる急激な血糖値の降下にあるのです。

実験してみれば分かることです。昼食を白いパンのサンドウィッチやハンバーガーと、砂糖たっぷりのカフェオレやコーラで済ました場合、たぶん夕方くらいには、集中力の低下や、イライラが起きて、大概、間食なしでは、いられないと思います。

また、夕食は、脂っこい、カロリーの多い食事がとりたくなることでしょう。

 

玄米と豆料理とか、全粒分パスタにトマトソース、それに繊維質の多い野菜の組み合わせといった構成だったら、さほど、そういうことは起こらないと思います。
グリセミック・インデックスの低い食事、つまり血糖値が安定する食事では過食は起こりにくいのです。

また、インスリン抵抗性が起こる最大の理由は、インスリンの過剰分泌が繰り返されることなのです。

確かに、脂肪細胞に脂肪がいっぱい詰まってくる、つまり肥満になることで、脂肪細胞のブドウ糖の取り込み能力が低下するというのも一因ですが、インスリン抵抗性は、脂肪細胞だけでなく、骨格筋を筆頭に全身の細胞で起こることなのです。肥満だけが原因ではありません。

 

ただし、グリセミック・インデックスの低い食事といっても、肉やチーズのように炭水化物を殆ど含まないものばかりとることでを勧めている訳ではありません。

そういう食事は、カロリー・オーバーを簡単に招き、しかも、脳、神経系が必要とする炭水化物が得られません。また先に述べましたように、脂肪で細胞がカロリーを満たされてしまえば糖を吸収しなくなるのです。

たんぱく質中心で、炭水化物を取らない、アトキンス法などのダイエットでは、死者さえも少なからず発生しているのです。

あくまで炭水化物を中心にして、しかもグリセミック・インデックスが低い食事をデザインすることが肝心で、そのためのポイントは、4点あります。

 

①主食である穀物を、未精製かできるだけそれに近づける。

 

玄米、全粒パン、ライ麦パン、オートミール、全粒粉パスタなど。

  

白米を食べる場合でも、雑穀、キヌア、アマランサス、蕎麦の実などを一緒に炊き込む。

 

②豆類を食べる。豆類は、炭水化物の消化と吸収をゆっくりにさせる。

 

大豆、大豆製品、レンズマメ、キドニービーンズ、ガルバンゾー、白花豆、えんどう豆、絹さや、もやしなど。ご飯を炊くときに豆類を混ぜ込む方法もよい。

 

③食物繊維の多い野菜を食べる。

 

食物繊維もまた、炭水化物の吸収をゆっくりにさせます。

 

ブロッコリー、カリフラワー、アスパラガス、レンコン、ゴボウ、海藻類、キノコ類など。イモ類では、ジャガイモは、GIが高いが、サツマイモは低い。

 

④酸も、炭水化物の消化と吸収をゆっくりにさせる。

 

酢の物、トマト煮など。ただし、ケチャップは、重量の約30%が砂糖なので、この目的には不向きです。

トマトピューレーならOKです。しかも、カロリーもケチャップの約三分の一です。

 

一般的なガイドラインでは、脂肪も極力控えるとなっていますが、それは、脂肪細胞が脂肪で満たされると、糖の取り込みをしなくなるというのが理由ですが、要は、総カロリーの過剰を避けるということで、オリーブオイルやごま油などを適量使うことは問題がなく、ある程度糖分の吸収速度をゆっくりにさせる側面もあります。

塩分は、ただ控えるというのではなく、スープストックやだしをしっかりとり、素材の味を深く味わうことで、おのずと少なくてすみます。

糖尿病への取り組みは、ある程度長期戦になりますので、食べることを楽しめて、無理のない内容が必要でしょう。

詳しくは、「癒しの食卓・スリムアップも若返りも食しだい」をお読みください。

 

ビタミンB群の重要性

さらに、キーとなるのが、ビタミンB群の働きです。

炭水化物、脂肪、たんぱく質といういわゆる3大栄養素は、カロリーとして、エネルギーに変換されます。

細胞の中にあるミトコンドリアという小器官の中で、クレブス回路と呼ばれる代謝系によってそれは行われています。その代謝に、多くのビタミンB群の栄養素が必須なのです。

しかも、糖尿病患者の血液中に、これらは低い濃度でしか存在しない傾向があると報告されています。

それは、糖尿病にかかりやすい食事内容というのが、ビタミンB群を不足させやすい食事でもあることと、糖尿病患者においては、それらの必要量が増加する(消耗が激しい)という二つの理由が考えられます。

 

ナイアシン(B3)は、3大栄養素のすべて、チアミン(B1)は、炭水化物、リボフラビン(B2)は、脂肪、ピリドキシン(B6)は、たんぱく質の代謝にとって必要不可欠です。

特に、ナイアシン(B3)は、先に紹介しましたGTFの構成要素そのものです。
ナイアシンは、単独で摂取しても、糖尿病に有効とする研究報告もあります。

また、ビタミンB1、B6、イノシトールについても同様な研究報告があります。
さらに、シアノコバラミン(B12)は、糖尿病の神経障害からの回復に有効とされています。

 

B12に関しては、現代医学でも有効性が認められており、特に神経組織に取り込まれやすいように分子構造を装飾したビタミンB12は、メチコバールの名で医薬品となっています

 

ただ、ビタミンB群は、チームで働く傾向があるので、単独でとるよりも、グループで摂取したほうがよいとも言われます。

 

糖尿病そのものに対してもそうですが、様々な合併症、神経障害、ED(勃起不全)、動脈硬化などを防いだり改善するにも、栄養素が役立っています。

確実に毎日、効果が出るだけの必要な量の栄養素を摂取するためには、サプリメントが役に立ちます。

では、実際に、食事の改善と運動に加えて、どのようなサプリメントが役に立つのか、どのような方法が減量に効果的なのか、また合併症を防いだり、改善するためにどのような栄養素が役に立つのか、そのほか役に立つ方法論について、述べてゆきたいと思います。

 

Ⅳ・希望の光・栄養療法/基本的な栄養療法

栄養療法(Nutrition Therapy)で、世界的に教科書として使われている文献に、メルビン・ウァーバック博士のHealing through Nutrition(邦訳名『完訳・栄養療法辞典ー病気を食事と栄養で治す自然な療法』)がありますので、ご自分でお調べになりたい方は、こちらをお勧めします。

この文献や、そのほかの多くの文献を参考にしながら、私自身の実践経験をあわせ、多くの糖尿病患者に安全、かつ有効と思われる基本的なレシピ(医学的治療と区別するために、『プロトコル』とは呼びません)は、以下の内容です。

 

① クロム(クロミウムピコリネイト・ピコリン酸クロムの形態で)1日、

200μg

 

② ビタミンBコンプレックス 1日に、B1、B2、ナイアシン、B6、イノシトールを各50mg以上、B12を50μg以上

 

③ 亜鉛(アミノ酸キレートタイプ) 1日50mg以上、上限100mg

 

※個人輸入などで入手できますが、自己責任です。出来ればカウンセリングをお受けになることをお勧めします。

 

私の経験上、何十年も、糖尿病を患っていた方が、ある程度の食事のコントロールと運動を前提にして、①と②を2~3ヶ月続けただけで、血糖値が完全に正常に安定したケースもあります。

ただし、インスリンを使っている場合には、特にクロムを補給すると、血糖値が下がりすぎる場合があります。自分で血糖値を測りながら、インスリンの量を調整でき、いざ下がりすぎたときの対処ができることが前提となります。

その際、医師の了解を得てください。(いい顔はされない場合が多いようですが・・・)

 

また、血糖値が下がっても痺れなどの神経障害が残る場合、ビタミンB12がその回復を助けます。B12は、ビタミンBコンプレックスに含まれていますが、先に述べましたようにメチコバールの名で、神経組織に取り込まれやすくしたビタミンB12が医薬品になっており、保険で処方できるので、医師に痺れの症状があることをはっきり伝えて、処方してもらうとよいでしょう。

ビタミンBコンプレックスと併用になっても問題はありません。

 

ただ、先にも述べましたように、個人の栄養状態、体質、糖尿病の原因は、千差万別です。実際にクロムや亜鉛が不足していた場合には、それらを補給すれば有効と思われます。但し、2~3ヶ月試してみて、効果が見慣れなければ中止すべきです。

 また、効果があって、血糖値が正常化したら、マルチ・ビタミン・ミネラルなどに切り替えた方がよいと思います。

ミネラルは、単独で長期過剰に摂取した場合には、弊害があります。

 

そのほかの合併症に対する栄養療法

神経障害に対する、ビタミンB12の作用について述べましたが、もうひとつ役に立つものがあります。

そもそも、神経障害が起こる理由は、神経組織内にだぶついたブドウ糖が、アルドース還元酵素の働きでソルビトールに変換され、そのソルビトールが細胞内に蓄積されることで起こると述べました。

現代医学では、そのアルドース還元酵素阻害薬を治療に使う場合があります。

自然な方法としては、食品に含まれるバイオフラボノイドという栄養素のグループが、ソルビトールの生成を抑制します。バイオフラボノイドの代表的なものとしては、ルチンやケルセチン、ヘスペリジンなどがあげられます。

ルチンは、蕎麦に、ケルセチンは玉ねぎやニンニクに、ヘスペリジンは、柑橘類に多く含まれます。これらを濃縮したサプリメントも売られています。

 

実は、玉ねぎの皮の茶色は、ケルセチンの色そのもので、これを煮出すと煮汁が見事な黄金色になります。

これをスープに使うとかなりの量が摂取できてしまうのです。

しかもそれは、ソルビトールの精製を抑えるだけでなく、活性酸素を中和する強力な抗酸化物質で、しかもヒスタミンの働きを抑制する働きもありますから、アレルギーやその他の炎症を抑制するのにもよいのです。

 

男性の糖尿病患者を悩ませるED(勃起不全・勃起障害)ですが、これは、自律神経での神経障害と末梢血流障害、動脈硬化などが絡み合って起こると述べました。
医学的治療では、バイアグラが使われたりしますが、こうした医薬品による治療の場合、性的興奮と勃起が一致しない傾向があるために、違和感や不便を感じる人も少なくないといいます。本当に自然で健康な状態へと回復することに越したことはないでしょう。

血糖値が下がり安定しているならば、医薬品ならばメチコバールとアルドース還元酵素阻害剤、自然な栄養素ならば、 B12やケルセチンの組み合わせで、自律神経障害が回復するにつれて解決する可能性はあります。

また、もともと亜鉛不足のために、男性機能が低下する可能性が高いので、先に述べましたように亜鉛の補給が、この問題にも役立つ可能性があります。

 

他、ビンゴビロバ(イチョウの葉エキス)やホーソンなど伝統的に血行障害を改善することが知られるハーブも、糖尿病に限らず、ED一般に改善事例があります。

 

しかも、ギンゴ・ビロバには、脳への血流を改善することで、痴呆やうつを改善する働きも知られています。(ただし、高血圧で医薬品を服用されている方には、脳出血のリスクを増やすのでお勧めできません)

 

また、ホーソンには、血小板の凝集を抑え、動脈機能を改善し、高すぎる血圧を自然に下げる働きも知られています。

バイオフラボノイドも、ギンゴ・ビロバもホーソンも、強力な抗酸化物質でもありますから、活性酸素を中和し、長期的には動脈硬化を抑制する効果もあるといわれています。

ビタミンEも、血行障害を改善し、神経の回復を促し、活性酸素を抑制し、機能回復の助けになると思われます。

 

抗コレステロール薬の副作用に朗報

糖尿病患者の場合、中性脂肪値や、LDLコレステロールの値が高くなる傾向があることはすでに述べました。

これ自体も、インスリン抵抗性が原因で起こるので、糖尿病を改善する過程で一緒に改善する可能性はあるのですが、中性脂肪やLDLコレステロールが高い状態を放置すると、糖尿病患者の場合には、体内で活性酸素が多く発生することもあり、LDLコレステロールが酸化された結果、動脈内壁にアテロームが形成されやすく、急速に動脈硬化が進むリスクがあります 。

 

しかも糖尿病患者の場合、LDLコレステロールが、小型化し、血管内皮にもぐりこみやすくなり、その上、動脈硬化を防ぐ働きがあるHDLコレステロールが少なくなる傾向があるので、たとえLDLの値が特別に高くなくとも動脈硬化のリスクは増大します。それで、スタチン系抗コレステロール薬の処方を受けているケースもあると思います。

 

それは、今のところLDLを抑制し、動脈効果を防ぐ上でもっとも有効方法といわれています。

 

しかし、皮肉なことに、この薬は、コエンザイムQ10という重要な抗酸化物質の体内合成も減らしてしまうのです。

しかも、糖尿病患者は、もともとコエンザイムQ10の体内合成能力が低下し、血中濃度が低くなっており、それを補給することで血糖値が下がる場合があると報告されています。

 

その理由は、コレステロールもコエンザイムQ10も、アセチルコリンを原料にして、同じ、メバロン酸経路という代謝系から合成される、いわば双子の兄弟だからです。

 

スタチン系抗コレステロール薬は、アセチルコリンからコレステロールやコエンザイムQ10を合成する経路上で働くHMG-CoAレダクターゼという酵素の働きを阻害するのです。

 

病気をよくするための薬が一方で、悪くする要因も作っているという点が皮肉なのです。スタチン系薬は、筋肉組織にも入り込み、コエンザイムQ10の合成を阻止するので、それを必要とする筋肉組織を分解し、筋肉量の減少を引き起こす副作用も知られています。

 

しかし、自分でできる対策があります。要するに、コエンザイムQ10をサプリメントで摂取するということです。

 

ここまで、単純で明白なことがなぜ現代の医学で標準処方になっていないのか不思議です。

コエンザイムQ10は、ユビキノンの名で、うっ血性心不全の薬としては認められているのにです。調べてみると、やはり、スタチン薬を処方する場合に、ユビキノンを併せて処方するということを標準処方にするべきだという議論があるようです。

それが実現するまでは、自己防衛を図るのがよさそうです。

 

糖尿病のさらに深い背景

過度に精製された食品は、グリセミック・インデックスが高くなり、栄養素は不足するので、糖尿病の原因になるということは何度も述べました。

そもそも、なぜ人は、グリセミック・インデックスの高い食品に魅せられてゆくのでしょうか。

無論、まずは、世の中にそうした食品が氾濫し、習慣化するからです。そして、急激な血糖値の上昇は、インスリンの過剰分泌を刺激し、急急激な血糖の降下を招き、再びGIの高い食品が食べたくなるという中毒性の悪循環を招くということもすでに説明しました。

 

それにしても、清涼飲料水、チョコレート、その他の甘いお菓子類、スナック菓子、ビールや日本酒などに、異常な固執を示すケースも少なくありません。

 

実は、そうなるには、さらに深い背景が考えられるのです。

 

フィンランドの研究グループの発表で、糖尿病とうつ病の間には、相関性が認められるという話は紹介しました。

私の考えでは、糖尿病とうつ病の関係は、一方が他方の原因になっているというだけでなく、根本原因を一部共有しています。

それは、ストレスに関係するものです。

別な記事で、「抑うつからの開放-こころの自由を取り戻すために」で、ストレスに対する人間の体の生理的反応とうつ病の発症メカニズムについて述べています。

 

要約すると、持続的で過剰なストレス、満足感や喜び、やりがい感を十分に伴わないストレスは、抗ストレスホルモンのコルチゾールの慢性的な過剰分泌を招き、それは、細胞のコルチゾール・レセプターのダウンレギュレーションを引き起こし、更なるコルチゾールの過剰分泌を引き起こします。

そして、過剰なコルチゾールは、やがて大脳辺縁系の機能を低下させ、脳内でのセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の合成低下を招き、やがて、うつ病を発症させるというものです。

 

そして、うつ病が発症する前段状態から、急激に血糖値を引き上げる食品への渇望が起こる傾向があります。

理由は、二つ考えられます。

ひとつは、急激に血糖値が上昇するときに、一時的にドーパミンの放出を促すということ。

もうひとつは、血糖値が急上昇し、インスリンが大量に分泌されると、一時的に、セロトニンの原料になるトリプトファンというアミノ酸が血液脳関門を通過して脳内に入り込みやすくなり、結果的にセロトニン合成が促進されるということです。

 

どちらも、一時的にドーパミンや、セロトニンの不足を緩和するだけで、結局時間が経過して血糖値の急激な降下が起こったときには、一層不快な状態が起こります。

そうすると、また血糖値を急激に引き上げるような食品を食べることを繰り返しやすいのです。

それで、糖分をとると苦痛が緩和する、糖分をとらないでいると苦痛が増大する、という構図が繰り返されることで、依存性が起こります。

 

こういう状態になった人に、チョコレートが人気があるのも理由があります。

チョコレートは、カカオの苦味ゆえに、大量の砂糖を加えることができますし、カカオに含まれているテオブロミンという成分が、脳内のセロトニン・レセプターに結合して、セロトニンの働きを代行するのです。

もしかしたら、ビールに含まれるホップも、ハーブ薬として、精神安定作用、鎮静作用の目的で使われてきた歴史があるので、似た働きをしているのかもしれません。

それが、アルコールが一時的にセロトニンの放出を促すはたらきと相乗作用するということが、ビールの人気の隠れた理由であるかもしれません。ビールのほうも、結局はたくさんの糖質をとりこむ事になります。

 

だから、ファースト・フード、ジャンクフード、清涼飲料、甘いお菓子、特にチョコレート、醸造酒、特にビールと日本酒などをたくさんとることへの固執、、あるいは普通の食事であっても、白米をたくさんたべないと気が済まないといったことが起こるのは、脳内でセロトニンやドーパミンの不足が起きている兆候なのかもしれません。

糖尿病患者の中には、コルチゾールの過剰分泌と、セロトニン、ドーパミンの合成低下を伴っているので、この問題をあわせて解消しなければ、食習慣を正すこともできない場合があると思います。

食習慣を正せない糖尿病患者を、「自分で治そうとする意思がない」と決め付ける前に、この可能性も考えてみるべきです。

そういうわけで、糖尿病もまた、心理、栄養、生活習慣などを包括したホリスティックな対処が必要と言うことが私の立場です。

これは、現代医学が間違っているというのではなく、補完されなければならないということです。

 

断食は究極の体質改善法

すでに発症してインスリンの投与を受けている場合には、治療との兼ね合いがあるので、医師と相談が必要です。ですが、発症の前段状態や初期の段階で、自分で体質改善に取り組みのであれば、断食は一つの究極の方法になるでしょう。

最近では、糖尿病の初期段階でインスリンを投与する事で治療が出来るという事がいわれています。それは、インスリンを投与する事で膵臓のランゲルハンス島β細胞を休ませれば機能が回復するという理由からです。

 

ただ、インスリンをつくる細胞を休ませるという事が趣旨であるならば、断食をすればよいという事もいえると思います。

また、先に触れたNF-κbは、血糖値に急激な上昇に反応して放出される事も分かっています。これがインスリン抵抗性の原因であるという事も分かっているので、断食は、究極の改善法という事になるでしょう。

また、断食をすると、味覚やその他の感覚が鋭敏になり、健康的な内容の食事、そして少量の食事で満足できるようになるものです。

ただ、完全断食は辛いので、最近では酵素飲料やフルーツなどで脳・神経系が必要とする500Kcal程度のカロリーは摂取しながら行う、緩やかな方法が注目されています。このような方法によって、実際に血糖値やHbA1cなどの数値指標が改善した事例もあります。

ともかく、糖尿病を防いだり、改善するのは、医師任せではなくて、本人の主体性が重要です。自分で情報を集めて、納得のゆく取り組みをされる事を強くお勧めします。

 

※私は、医師ではないので、直接治療に当たる事はしていません。しかし、メンタル面でのサポートや食習慣の改善、酵素断食に関するカウンセリングはしています。

 

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