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セルフワークの手引きになる新しい本の構想

 実は、新しい本の執筆をはじめました。「本」といっても前回みたいな大掛かりな商業出版(『すべては変えられる/思考をつくる心の奥の秘密』パブラボ出版)ではなくて、本の数十ページ程度の自主出版の電子書籍を予定しています。

インナーチャイルド表紙h300目的は三つあります。一つは新しい購読者を得ることです。もう一つは、セッションを受けられた方がその後セルフワークを行うための手引書という意味です。また、「すべては変えられる〜」には膨大な情報を分かりやすくできるだけ短く詰め込みましたので、セルフワークの説明に割ける紙面は限られてしまい十分に書けていないことがあります。その補足という意味もあります。

 LibertyWings®プログラムの中では、シータヒーリングの書き換えテクニックとダウンロードを使って信念を変更すること以外に「光のタイムラインワーク」と呼ばれる心理ワークがあります。これは、NLP(神経言語プログラミング)の基本原理に最新の脳科学に基づく仮説を加えて体系化したものです。新しい本では、この「光のタイムラインワーク」に絞って書く予定です。

 

 3種類の記憶

 このテクニックは、従来のNLPのテクニックよりも強力で効果が迅速であることが証明できています。本当に心を癒すためには、信念の変更だけでなく、体験の再学習も必要です。またこのテクニックは、経験不足の修復という目的にも使えます。加えて、「インナーペアレンツ」を修正することができます。

 そして、クライアントさん本人がシータヒーリングを習得していなくても自分で使えます。私の考えとして、クライアントさんができるだけ自分でできることを増やして行く事が大事だと考えています。

  以前別な記事で書いたことですが、人間の記憶には3種類あります。「意味記憶」「エピソード記憶」「手続き記憶」です。

 意味記憶とは、例えば「信号が赤なら停止」や「失敗すると怒られる」といった端的な信念やルールのようなもので思考や行動にあたっての基礎データになるものです。これは端的なフレーズで表現できます。(こうしたものをスキーマともいいます)

 エピソード記憶とは、具体的な出来事に関する記憶です。例えば「いじめにあった」「失敗して怒られた」ときの物語の記憶です。そこには、その時の映像、音声、身体感覚、感情などが記録されています。

 手続き記憶とは、無意識のうちにも半ば自動的に行う動作に関する記憶ですが、思考や感情のパターンも含まれます。典型的には車や自転車の運転手順が含まれます。ある人が、叱られると決まって頭をうなだれ押し黙るとするとそのパターンも手続き記憶として保存されたものです。

 これら3つは、保存形式は異なるようですが、当然バラバラに置かれているのではなくて、連動しています。実は、いわゆる「インナーチャイルド」というのは、これら3つにまたがって存在するのです。

 例えば、子供のときに、よかれと思ってしたことを「いらずら」だと思われて父親にひどく怒られたという体験をしたとします。このことにより、「私は余計なことをすると罰を受ける」という信念が作られたとします。これは「意味記憶」として保存されます。この場合は、「罰スキーマ」と類型化されるスキーマです。スキーマとは、ものの考え方、感じ方のベースとなるような信念体系という意味です。そしてそのとき、うなだれていたら、父親が「よく反省したか?」と聞いてきたので「うん」と答えたらそれで許してもらえたとします。ここで、「怒られたらうなだれる」という反応パターンが怒られたときに安全でいられる方法として記憶されます。これは「手続き記憶」です。

 

「インナーチャイルド」の正体

 ここで、「私は誤りを犯すと罰を受ける」という「意味記憶」とそれを裏付ける「怒られた体験」の「エピソード記憶」、そして、「うなだれる」という「手続き記憶」の間に強い関連付けがなされて保存されることになります。

 その後、それらが保存されたまま大人になりました。ある日、会社の営業企画の仕事で、あるユニークなアイデアを思いつきました。一瞬ワクワクしました。しかし、それは、会社の慣例にはないことなので、保守的な社員からは非難されるかも知れません。そう思っただけで、非難する声が心の中から聞こえ、急にうなだれるような感覚になました。結局、そのアイデアは心の中から葬り去ったのでした。

  まるで、罰に怯える子供のような心、恐怖心が立ち上がったのです。例えばこのような心のはたらきを、まるで心の中に住む幼子のようだということから擬人化して「インナーチャイルド」と呼んでいるのです。

 こう考えると明らかなのは、「インナーチャイルド」は、「意味記憶」と「エピソード記憶」と「手続き記憶」の連合体です。

 「すべては変えられる〜」や、多くのウェブページでは、便宜上スキーマ=インナーチャイルドということにして話を進めています。それは、スキーマということばが一般には馴染みがなくカタい印象を与えると思われたからです。カッコつけたいわけではなく、私が本当は専門用語を使いたい理由がここにあります。厳密に定義されていない言葉を使って説明すると、後で混乱が起こることがあるのです。厳密に言えばインナーチャイルドとスキーマはイコールではありません。ただ、インナーチャイルドの核、コアであるということは確かです。

 

 癒しの現場での実際

 課題は、上記のような問題をどう解決するかということです。従来のいろいろな心理療法を見渡すと、3つの記憶様式のどこからでも解決を図れることが分かります。認知療法は、「意味記憶」を修正します。退行催眠は、「エピソード記憶」を再学習させます。行動療法は、「手続き記憶」を変更します。このような見事な対応関係があるのです。ちなみにシータヒーリングの書き換え、ダウンロードも、「意味記憶」に働きかけるものです。

 「意味記憶」に働きかけるだけでは不十分なのでしょうか? 私の答えは、「不十分な場合がある」ということです。

 例えば先にあげたケースで、「余計なことをすると罰を受ける」という信念をキャンセルして「創造性を発揮しながら受け入れられる」という新しい概念をダウンロードしたとします。すると先般のような反応が軽減はするでしょう。しかし、「エピソード記憶」や「手続き記憶」までが自動的に変わるわけではありません。

  ここでもう一つ、受容な要素として「インナーペアレンツ」について考えます。インナーペアレンツというのは、「内在化された親」という意味です。先の例で言えば、自分を懲罰的に叱りつける父親のイメージや、子供の頃に解釈した父親の考え方や行動パターンが記憶されたものです。これも「エピソード記憶」に含まれると思われます。これはそれ以降、「余計なこと」やいたずらをしようとすると、心の中で動画のように再生され、警告として役立っていたのです。先の例で、心の中から聞こえた「非難の声」も実は、おそらくこのインナーペアレンツがモデルになっているのです。

 インナーペアレンツは、親そのものではなく、あくまで子供の頃に解釈した親像の「データ」に過ぎません。私の経験上、多くのインナーペアレンツは成長過程で不要になって消去され、単なる普通の記憶に変わります。しかし、特に強力なものは、大人になっても残っている部分があることに気がついたのです。そして、心の中でインナーペアレンツが立ち上がると、子供の頃に記憶された「手続き記憶」が作動することも分かりました。

 そこで、「光のタイムラインワーク」を使うことで、不必要なインナーペアレンツも解消できるのです。それは自分の親を否定することになるのでしょうか? いいえ違います。それは未熟だった子供のころに解釈した「親像」なので、それがあることによって親を偏見で見ることにもなります。不必要になった段階で解消することで、むしろありのままの親の姿を認識できるのです。

 ちなみに、ここでは否定的なはたらきをするインナーペアレンツの例で説明していますが、肯定的なはたらきをするインナーペアレンツも存在します。例えば、挫けそうになったときに「やさしく、しかし力強く励ましてくれた父の声」を思い出して頑張り抜けたというような事例です。こういうものはむしろ生涯の宝物として大切に保存しましょう。その親がもしすでに亡くなっている場合には、最高の遺品といえるものかもしれません。

 「光のタイムラインワーク」は、それ単独で使っても強力なスキルで、しかも簡単で安全です。特にNLP(神経言語プログラミング)を学んだ経験のある人には、非常になじみやすいものです。プロのカウンセラーなら、すぐに現場で使って成果を出せるテクニックです。

 NLP(神経言語プログラミング)を知っている人のために少し補足すると、「チェンジ・パーソナル・ヒストリー」、「ポジション・チェンジ」、「メンターワーク」という3つの強力なスキルをいっぺんに使うというイメージに近く、実際にそれらで得られる変化がいっぺんに起こります。

 もともとは、脳科学で今世紀最大の発見といわれる「ミラーニューロン」の研究結果から、「エピソード記憶」に関する「ミラーニューロン・CG仮説」という仮説を立てて自分でくり返し試した上で、現場で検証しながら体系化したものです。

 本では、テクニックの背景説明、具体的な方法、物語を通じた仮想体験、体験談、そしてもう少し専門的な解説という構成にして、読みたいところだけ読んでも役に立つようにしたいと思います。

 多くの人が潜在意識に、豊かになったり、成功したりすることを妨すべては変えられるh-200げる「隠れた信念」を持っていることが分かっています。
 私は、潜在意識に存在する「隠された信念」をインナーチャイルド、インナーベビーという概念で表して、誰でもそれを簡単に自己分析できるようにしました。そして、自分でそれに向き合って変更する方法を含めて1冊の本にまとめました。LibertyWings®プログラムの最も根幹をなす考え方はこの本にまとまっています。

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