アダルトチルドレン(AC)問題への取り組み
2013/10/26
カテゴリーヒーリングセッション情報
スーザン・フォワード著の「毒になる親」では、「毒になる親」の典型的で、しかも自分の考えや行動を全く変える気のないケースを7つに類型化し、それを中心に扱っていました。その7類型とは、
1・「神様」のような親
「親の言う事は絶対であり、子供は常に親の言う通りにしなければならない」という考えのもとに、子供が従わなかったり、期待に背いたりすると懲罰を加えるような親。
2・義務を果たさない親
親として、身体的なニーズを満たす、危険から守る、精神的ニーズを満たす、心の面からも危険や害から守る、適切なしつけや教育を行う、などの義務を果たさないばかりか、親の責任まで子供に押し付けるような親。
3・コントロールばかりする親
自立を妨げ、脅し、非難、被害者を演じるなど、様々な方法で過度なコントロールを加え、干渉し続けるような親。金でコントロールしたり、子供の能力や自主性を全く認めなかったり、ことあるごとに兄弟間で比較したり、様々な方法を用いる親。
4・アルコール中毒の親
アダルト・チルドレンという概念の元々のパターン。アルコール中毒である事に加え、酒乱などの問題もある。父親がアルコール中毒で、母親が父親の暴力から子供を守らず、「怒らせたお前が悪い」などと問題を隠蔽、すり替えているケースも少なくない。
5・残酷な言葉で傷つける親
子供の身体的特徴、知能、能力、人間としての価値などに関して、日常的、かつ執拗に、ひどい言葉で攻撃を加える親。日常的に精神的虐待を加える。
6・暴力を振るう親
養育的見地からではなくて、親自身の精神的状態(疲労、ストレス、フラストレーション、不満)が理由で、暴力を加える親。キレる親。
7・性的な行為をする親
近親相姦だけでなく、性的ないたずら、子供を性の対象として扱う親。
これに対して、中村延江著の「アダルトチルドレン・恋愛・結婚症候群」では、機能不全家庭で育った子供が演じる役割と、そういう人が大人になってから特に恋愛や結婚に関して抱える問題を中心に扱っています。その7つの役割の類型とは、
1・家族ヒーロー
親の期待にひたすら応えて優秀であろうと無理をする
2・世話役
親に対して世話をする役割
3・犠牲者
犠牲者になる。(クリッツバーグの定義とは違います)
4・いなくなった人
存在感を消し去る
5・問題児(クリッツバーグの定義での『犠牲者』)
「悪い子」を演じる
6・道化師
おどけて問題などないかのように振る舞う
7・「パパの王女様」
いつまでも父親のお気に入りでいようとする女性
私が扱ってきた事例でも、これらに該当するケースは多々ありました。特に、親の片方、または両方に、自己愛性パーソナリティー障害が疑われるケースでは、「毒親」のパターンでは、1、2、3、5、6にまたがっているというのも珍しくはありませんでした。
また、演じる役割も、1、2、3にまたがっていたケースや、途中で、その役割を演じきれなくなって、登校拒否、摂食障害、うつなどになったケースもあります。
また、両著で指摘されているように、世代間連鎖というのは確かに見られました。
私自身は、アダルトチルドレンという観点からではなくて、インナーチャイルド(早期不適応的スキーマ)という観点を中心に扱ってきました。しかし、扱ってきた問題自体に共通性があるので、完全に互換性があります。
これらの「役割」のパターンにどういうインナーチャイルド(早期不適応的スキーマ)が関わっているのかという視点で分析するとやっぱり私が5大スキーマ(5大インナーチャイルド)と呼んでいる、自己卑下チャイルド(欠陥/恥スキーマ)、いじめられチャイルド(不信/虐待スキーマ)、見捨てられチャイルド(見捨てられ/不安定スキーマ)、失敗するチャイルド(失敗スキーマ)、罰されるチャイルド(罰スキーマ)の影響が大きいと考えられます。
世の中には、自分が抱える問題について、アダルトチルドレンという概念から問題意識を持っている人は数多くいらっしゃるようです。そして、どこに相談すれば解決できるのか探しておられるでしょう。
著書などで読む典型的な事例では、毎週カウンセリングに通い、改善、解決までに数ヶ月、それも著書に取り上げるのは典型的にうまく行ったケースと思われます。
私としては、もっと短い期間、結果的にもっと少ない経済的負担で解決できるというものを確立する必要があると考えています。既に実績はありますが、LibertyWings®プログラムは、さらに発展を続けています。
アダルトチルドレンの理論は、親から悪影響を受けていても本人に自覚がない、気がついていないようなケースで、カウンセラー自身が問題を発見する、本人に気づかせる気のに役立ちます。また「毒親」のパターン別に典型的なワーク方法などをノウハウ化する事も可能だと思います。
インナーペアレンツをはじめとするインナーパーソンズの影響を解消する「光のワーク」のノウハウは、急速に蓄積されつつありますが、更なる蓄積と発展を目指します。
http://www.amazon.co.jp/アダルトチルドレン-恋愛・結婚症候群―「自分探し」の処方箋-中村-延江/dp/458415872X/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1382752398&sr=1-1&keywords=中村延江