人生の明暗を分ける最大の要因
2015/03/06
人生がうまくゆかないときに、あなたはこんな自問をしたことがありませんか?
自分の人生がうまくゆかない根本原因がなにかあるとしたらそれは何だろう?
私は、膨大な統計の中からその答えを見つけました。しかし、それは多くの人が知識としてはすでに知っているか、うすうすは分かっているあまりに単純な事実でした。その原因は、いわゆる頭の善し悪しとか、才能の有無とか、生まれつきの運・不運でもありません。
不幸になるのは親の育て方のせいなのか?
私は、拙著「すべては変えられる/『思考』をつくる心の奥の秘密」の第1章、P43〜次のように書きました。
インナーチャイルドのことがわかってくると、「自分の親がこんな育て方をしたために自分は苦しんできたのか?」と親を責めたい気持ちになることもあります。インナーチャイルド形成に最も影響を与えるのが養育者(主に親)だからです。
しかし、私はこう思います。「人は皆、それぞれの学びの計画を持っていて、そのチャイルドがいることで学べたこともあるのだ」と。ですから、インナーチャイルドを「悪いヤツ」ととらえるのではなくて、「今までは何かしら役立ってきたけれどももう卒業する」という捉え方をして頂きたいと思います。
実は、インナーチャイルドを解消するためには、このような観点が必要なのです。
ここでいう「インナーチャイルド」とは、幼少期に形成されて潜在意識の潜り込み、ものごとの考え方や感じ方の土台となった「思い込み」を擬人化した表現です。
こうしたものが自己否定的な考えや、人に対しての過剰な警戒心や、見捨てられるのではないかという不安や、どうせ失敗するだろうという悲観的な予測感を作り出し、ストレスや制約の原因になっている訳です。
そして、確かにそうしたものがつくられたきっかけは、幼少期の養育者(主に親)がどのように接したかに由来します。また、子供のころは、自分でできることには限りがあり、多くのことが親の意向次第だったのも確かです。
例えば、ピクニックや遊園地に行けるかどうかは、親の意向次第だったと思います。成長するに従って自分の意志次第で実現できることの割合がだんだん大きくなるものです。
ところが、成長してもなお、人生が自分の思い通りにならないという体験をくり返し続けることによって、さらに新しい偏見が生まれ、それが人生に対する基本的な態度になってしまうことがあります。
それは、端的に言えば、「自分が幸せであるかどうかは、他の人が自分をどう扱ったかによって決まる」というものです。この考えによれば、自分が不幸だとしたら、それは親のせい、会社のせい、自分の周りにいる誰かのせいということになります。
大人になっても、親を恨み続ける人は珍しくありません。ただ公平に見て、その人は曲がりなりにも大人になるまで成長する世話をしてもらい、生活費や学費なども工面してもらっているのです。してくれなかったことや、ひどいことをされたよりもはるかに多くのことをしてもらったことは間違いありません。
また、多くの親達はまだまだ人間的にも未熟な状態で、幼少期の子育てという難しい課題に取り組んでいたのです。それが精一杯だったと言えるのです。
親を恨み続けるのは、端的に言って「私が不幸なのは親のせいだ」という思考を続けることです。つまり、「私は親の被害者だ」ということです。親に限らず、誰かを恨むということは、自分を被害者と見なすということです。
実際は、親から虐待されたり遺棄されたりしても、その後成功したり幸せを掴んでいる人はいくらでもいます。自分が幸せになれれば、どんな「ひどい親」でもだんだん許せるものです。「ひどい親」はなんといってもその本人が不幸だったということが理解できます。真実は、「親のせいで自分は不幸だ」ではなくて、「自分は今不幸なので親のせいにしたい」のです。
「責任を生きる」ということ
つい先日、投稿記事で、「『責任』を生きるか『被害者』を生きるか」という文章を公開しました。ここでいう「被害者を生きる」とは誰かを恨み続け、自分の人生の問題を人のせいにし、自分を被害者と見なし続けることなのです。「被害者を生きる」ということは、自分の人生の主導権を握っていないということです。すると自分次第で幸せになれるということを信じていないということになります。だから実際に不幸になるのです。
インナーチャイルドが形成されたきっかけは、養育者(主に親)がどういう態度をとったかにあったかもしれません。しかし、その「思い込み」を持ち続けるかどうかを決めるのも、どのような考え方を選択するのかも実は本人次第なのです。
LibertyWingsの理論は、ここを曲解され、「自分の不幸は親のせい」という考えを裏付けるのに利用されてしまう可能性もあります。私が伝えたいのは、その因果関係を理解することは必要ですが、自分の考え方をどうするかは自分の責任で選択し直すことができるということです。
「インナーチャイルド」を解消する過程で、だんだん親の立場も理解できるようになり、恨みや怒りを手放して行ける人は、人生はどんどん好転しています。ただ、親に対する怒りや恨みを手放すということは、好きになるということとは限りません。嫌いなら嫌いであってもかまわないのです。自分自身は絶対にあんな人間にはならないという戒めにすることもできますから。
中には、恨みに固執し、自分の人生を悲惨なものにして見せつけることで親に復讐し続ける人もいます。親にされたことの証拠保存のために、思考パターンの変更を拒む人もいます。または、あり得もしないのに、親が自分に償いをすることに執着する人もいます。あるいは、被害者であり続けることで同情を得たがる人もいます。それも一つの選択ではあります。ただ、それをやりながら夢や願望を実現し、心から満足のゆく人生を生きることはできないのです。
今このような文章を続けざま書いているのは理由があります。ここに書いているようなことは、私にとっても目新しいことではないし、とっくに知っていたはずのことでした。しかし、私もセラピスト歴20年の経験とデータの蓄積を整理する中で愕然とするほどの明らかで重たい事実がそこにありました。幸せになれるかなれないか、願望を実現できるかできないか、豊かになれるかなれないか、それらを分ける最大要因がここにあったということです。
「被害者を生きる」と不幸になる根本理由
そして、根本原理が分かったのです。人間の意識は、いわゆる潜在意識より深いレベルで超意識を通じて、この宇宙の根源とつながっています。だから、物理的次元での因果関係を超えて、思いが現実化するということが確かにあります。その「現実化する」力を仮に「クリエィティブ・パワー」と呼ぶことにします。そしてその力は、似た性質のパワーと共鳴します。
「責任を生きる」をいいかえると「自分の人生の主導権を握る」「自分の人生を創造する」ということです。このような観点に立った願望は、「クリエィティブ・パワー」と共鳴するのです。逆に「被害者を生きる」というのは、自分の人生を決めるのは他人だということになるので、そういう状態で願望を持っても、「クリエイティブ・パワー」とは共鳴できないのです。
「責任を生きる」人と、「被害者を生きる」人の人生が長期的に見て、どれほどの違いが生じてくるかというのは、愕然とするほどのものです。人生の明暗を分けると言ってよいでしょう。
人のせいにしない、自分の人生に責任を負うといったことは、多くの人が語ってきました。けれどもそれは、それがいいことだからとか、正しいからという次元の問題ではありません。そうすることで初めて宇宙の創造の力とつながり望む人生を創造できるからです。人のせいにする、被害者意識で生きるというのは、自滅行為とさえ言えるのです。宇宙の創造の力とのつながりを断ってしまうからです。
では、実際に過去に虐待や遺棄などを受けてきた事実がある場合はどうとらえればいいのでしょうか?
それは、「被害」ではなくて「試練」ととらえればいいのです。試練を乗り越えてきた体験と考えることが可能です。
名著の中で語られた人生の法則
以前にも紹介しました「サラとソロモン/少女サラが賢いふくろうソロモンから学んだ幸せの秘訣」」(エスター&ジェリー・ヒックス著)という物語の邦訳p94からソロモンのセリフとしてこんな記述があります。
つまりね、サラ、君の幸せが他の誰かがやったりやらなかったりすることにかかっている時、君は罠にはまっているんだ。なぜなら、他の人が考えることや行うことを、君はコントロールできないからさ。でもね、サラ、自分の喜びは他人にかかっているのではないということが分かったら、その時は本当に自由になれるんだ。それは、君が夢見たことのあるどんな途方もない夢よりも素晴らしい自由だ。そして、君が喜びを感じられるかどうかは、君自身が何に対して自分の注意を向けることを選ぶか、ということだけにかかっているんだよ。
人はよく、「〜のせいで気分を台無しにされた」とか「こんなことを言われれば誰でも怒るさ」といった事を言います。しかし、気分や感情も自分で選んでいるのです。そのことに気がつけば自由になれると言っているのです。
打って変わって、ビジネス書の名著と言われる「7つの習慣」の衝撃的な記述を紹介します。7つの習慣の中の第1の習慣、「主体性を発揮する」の章、邦訳ではp83〜ビクター・フランクルが、ナチスの強制収容所で拷問を受け、数知れない屈辱を受け、独房に監禁される中での体験が紹介されています。
そこで彼はナチスの兵士達が決して奪うことのできない自由―人間の最後の大いなる自由と彼は呼んでいる―を発見したのである。
(中略)
彼は、看守を含めた周りの人たちの大きな模範となり、生き甲斐を与える存在となった。その模範のおかげで、周囲の人たちは苦しみの中にも生きる意味を、そして収容所生活の中にも人間としての尊厳を保つことができたのだった。
そして、P86〜次のような記述へととつながります。
責任は英語でレスポンシビリティー(Responsibility)という。このことばの語源を見るとレスポンス(Response:反応)とアビリティー(Ability:能力)という二つのことばからなっている。主体性のある人はそのレスポンシビリティー「自分の反応を選択する能力」を発揮している。自分の行動に対する責任を取り、状況や環境、または条件付けのせいにしようとはしない。彼らの行動は自らの価値観に基づく意識的な選択の結果であり、状況によって起こる一時的な感情の結果ではない。
以上の二つは、全く異なる分野、全く異なる文体で表現されていますが、実は同じことを述べています。
制約をなくし自由を拡げること
私がカウンセリングの中でさせて頂くことは、この見出しで表すことができます。「そうは言っても」人間は、状況にほとんど自動に近く反応してしまう傾向があります。その大きな原因が、幼少期に潜在意識レベルにプログラムされた「思い込み」によるものです。
こうしたものを解消して行くことは、反応や感じ方を自分で選択する自由を拡げることです。つまり、先の「7つの習慣」の概念で言えばレスポンシビリティー「自分の反応を選択する能力」が発揮できるようにすることです。
LibertyWings®プログラムによるカウンセリングの目的は、限りなく愚痴や不満を聞いて慰めることでもなければ、本人の人生の問題を親のせいにし続けていいというお墨付きを与えることでもありません。
日本語で「責任」というと義務とか責めを負うとかいうニュアンスもありますが、英語のレスポンシビリティーは、むしろ自由を得るということです。
日本語では、「自由には責任が伴う」という言い方がありますが、英語のレスポンシビリティーは、「自由に自分が心から望む選択をする」という意味でもあります。
だから、この心理プログラムの名前は、LibertyWings、「自由の翼」というのです。
幼少期に形成された「思い込み」とは別に、長い時間かけて形成される思考の枠組み=マインドセットというものがあります。私は、大きな課題として「失敗に対する捉え方」「変化に対する態度の取り方」「批判に対する態度の取り方」「自分のユニークネスとの関わり方」「雇われるか自分で仕事をつくるかの選択」という5つの大口として想定してきました。
そして、それらよりももっと前提となるもっと大きなテーマとして、「自分の人生に対する態度の取り方」、すなわち「責任を生きる」か「被害者を生きるか」というテーマがありました。そして、MRA(Magnetic Resonance Analyzer)という装置を使った潜在意識のテストで具体的な思考パターンとしても検出できることが分かりました。例えば、つぎのようなフレーズでテストすることができます。
「私は父親の被害者です」「私は母親の被害者です」
「私は兄弟の被害者です」「私は家族の被害者です」
「私は運命の被害者です」「私は常に誰かの被害者です」
「私はみんなの被害者です」「私は社会の被害者です」
このようなものが見つかる一方で次のようなフレーズに対してNOという反応が得られることがあります。
「私は自分の人生の主導権を握る」
〜とはどういうことでどんなん感じがするか分かっています
〜することが可能です
〜することを自分に許可しています
「私は自分の人生の現実を創造する」
〜とはどういうことでどんなん感じがするか分かっています
〜することが可能です
〜することを自分に許可しています
「私は自分の願望を実現する」
〜とはどういうことでどんなん感じがするか分かっています
〜することが可能です
〜することを自分に許可しています
このようなテスト結果に基づいて、潜在意識の思考パターンを変更することはあっという間にできてしまいます。そして新しい思考習慣が定着するにつれて人生の現実はどんどん変わります。
これまで、被害者としての観点からばかり自分の人生をとらえてきた人がいたとしたら、それはほとんど180度視界が変わるような体験でしょう。人生は選択し直すことが可能なのです。
5月3日(日)、4日(祝)、5日(祝)
LibertyWings Ⅰ カウンセリング・スキルアップ・セミナー
多くの人が潜在意識に、豊かになったり、成功したりすることを妨げる「隠れた信念」を持っていることが分かっています。
私は、潜在意識に存在する「隠された信念」をインナーチャイルド、インナーベビーという概念で表して、誰でもそれを簡単に自己分析できるようにしました。そして、自分でそれに向き合って変更する方法を含めて1冊の本にまとめました。LibertyWings®プログラムの最も根幹をなす考え方はこの本にまとまっています。
Amazonのページ