パニック障害の本当の原因と克服、完治への道のり
私は、潜在意識の「隠れた信念」に焦点を当てた心理セラピストです。その立場からこれまで、「パニック障害」の問題を抱えたクライアントさんのサポートを数多く行ってきました。
そして、何年も薬物療法を行っても治らないケース、薬物依存におちいっていたケースで、1回~数回のセッションで完治ないしは、大幅に改善した事例を多く見てきています。
もしあなたがそれに該当するか、身近な人がそれに該当する場合、ぜひこの記事を最後まで読まれて下さい。
また、私は、栄養療法の視点も持っているのでそういう視点からも述べて行きます。
「パニック障害」の本当の原因は?
私は、最初の発作が起きるのは、何らかのストレス、低血糖、貧血などが複合したためだと見ています。現代人は、砂糖や精製された穀物の摂取量が多いため、一旦急上昇した血糖値が、その後急降下し、低血糖状態におちいることが多いのです。
ネット上でも「パニック障害 低血糖」で検索しますと、私と同様にそれらに関係があるとする見解が多く出されています。また、病院などで普通に検査するヘモグロビンやヘマトリックス値が正常範囲内でも、備蓄鉄であるフェリチンで不足すると貧血症状は出ます。これを潜在的鉄欠乏と言います。
潜在的鉄欠乏は、日本人の女性の約半数は該当するといわれます。その主な兆候は、慢性的な肩こり、慢性的な冷え性、寝起きが悪い、集中力や根気がないなどで、2つ該当すると疑った方がよいと思います。これと低血糖が重なると脳のエネルギー不足が起きやすいのです。
そして最初の発作が起きたとき味わうのは、「自分は心臓発作で死ぬのではないか」というような恐怖だけでなく、その場に居合わせた誰も助けてくれない、大勢の人の前で失態をしてしまった、どこにも逃げられない、といった恐怖感です。
このとき、幼少期に形成され、潜在意識の奥深くに潜んでいた「隠れた信念」が刺激され、顕在化するようです。そして、この体験がトラウマとなって、「また同じようなことが起こるのではないか」という予期不安が引き金になって、その後も発作をくり返すのです。
2回目以降の発作は、1回目に発作が起きた時と同じような生理的状態が起きた可能性もありますが、一種のPTSD(トラウマ後ストレス障害。トラウマとなったような体験が再び起こるのではないかという不安や恐怖が心身の症状を引き起こすこと)とも考えられます。
先ほど、「隠れた信念」という表現を使いました。私は、MRAという特殊な装置を使って、多くの人の潜在意識にある「隠れた信念」を分析してきました。幼少期につくられて潜在意識の奥深くに潜り込み、考え方や感じ方の基盤をなすような「隠れた信念」を専門用語で「早期不適応的スキーマ」といいます。
「早期不適応的スキーマ」は、似た性質を持った信念同士がグループを形成するしくみになっていて、性質によって類型化されています。そして、パニック障害を抱えるクライアントさんに共通するスキーマ(隠れた信念)というものが、明確にあるということが分かっています。
専門用語で「見捨てられ/不安定スキーマ」または「欠陥/恥スキーマ」または「不信/虐待スキーマ」と呼ばれるグループのいずれか、ほとんどのケースはこの中の複数、または全部が検出されているのです。
ですから、これらのスキーマ(隠れた信念)を解消して行くことで、パニック発作は急速に改善するケースが多いのです。人によっては、栄養不足を解消し、血糖値を安定させるように食生活の改善も必要かもしれません。しかし、スキーマ(隠れた信念)の解消だけでもかなりの確率で改善しています。悪化したケースは全くありません。
もし、あなたやあなたに身近な誰かが、パニック障害を抱えていて、治療によって思うように改善していないか、治療自体をためらっているのであれば、このようなアプローチが選択肢にあるということを認識して検討して頂きたいのです。
「早期不適応的スキーマ」の詳しい説明は下記のリンクをどうぞ
パニック障害は、遺伝性するのでしょうか?
そう考える研究者もいます。パニック障害を持つ人の両親、子供、兄弟が一生涯に発症する確率は17.3%で一般の発症率の約8倍となっています。
また、一卵性双生児のペアの一方が発症している場合、もう一方が発症する確率は24%と一般の発症率の約10倍となるというデータなどが根拠になっています。
ただし、原因となる特定の遺伝子は見つかってはいません。
一方で幼少期の養育環境が大きな影響を与えているとする立場もあります。 ひとみしり、内気、はにかみ、引っ込み思案、臆病などの傾向を心理学用語で「行動抑制」といいます。
パニック障害発症者を親に持つ子では約80%に行動抑制が見られるのに対して、親がパニック障害ではない子では20%に程度といわれています。
また、幼少期の「分離不安」が関係しているという研究もあります。分離不安とは、幼少期に母親などから引き離されることに対して強い不安を示すという意味です。
パニック障害を持つ人は幼少期に分離不安を抱えていた確率が非常に高いとされています。
また、母親がパニック障害を抱えていた場合、その子供が分離不安を抱える確率も非常に高いということが分かっています。
ところで私は、先の記事でも触れましたようにパニック障害には低血糖が関係していると考えています。血糖値のアップダウンが激しい状態があり、その急速なダウンの時に低血糖症状として最初の発作が起こる、そしてそれ以降は、最初の発作のトラウマによるPTSD(トラウマ後ストレス障害)が加わることによって発作が起こると見ています。
ところで、血糖値が乱高下するような状態が続くと、後に糖尿病を発症する可能性が高くなります。とすると、パニック障害を持つ人が糖尿病を併発する可能性が高いということになります。実際にアメリカでの研究報告では、パニック障害を持つ人は糖尿病を併発しやすいというデータがあります。
私の見解はこうです。パニック障害も糖尿病も遺伝病ではありません。ある程度遺伝するのは、血糖調整機能が弱いために、それらを発症しやすい体質だけです。なぜそう言えるのでしょうか?
糖尿病に関してある程度遺伝があるとする分かりやすい事例があります。アメリカの日系人は糖尿病にかかりやすいことが知られ、ロサンゼルスで約15%、ハワイで約20%もの人が糖尿病にかかっています。これは白人系アメリカ人の10%より明らかに多いのです。
つまり、日系人は、白人系よりも糖尿病にかかりやすく、一般的なアメリカ人と同じような食生活をすると白人系よりも高い確率で糖尿病にかかるということです。そうであれば、同じ日本人の中でも遺伝的にかかりやすい人かかりにくい人という違いもあるはずです。
しかし、もともと日本人には糖尿病は多くなかったのです。1997年には、糖尿病患者が690万人、2012年には950万人にも増えています。遺伝性ならば、増加して行くことは考えられません。明らかに食生活、運動など生活習慣によるものです。
だから、血糖調整機能が弱いためにパニック障害を起こしやすい体質素因自体はある程度遺伝があるとしても、実際にパニック障害を起こす要因としては後天的な要因が大きいと考えるのが妥当だと思います。
ところで、先の記事で「早期不適応的スキーマ」という幼少期に形成される思い込みの基盤について触れました。そして、パニック障害と幼少期の養育環境との関係についての研究で、「行動抑制」と「分離不安」というキーワードが出てきました。
実は私の見解では、「行動抑制」は、「欠陥/恥スキーマ」や「不信/虐待スキーマ」が原因です。
そして「分離不安」は、「見捨てられ/不安定スキーマ」が原因です。
すると、これらの研究事例と、私が蓄積したデータは、見事に一致しているのです。
パニック障害は心理面と栄養面の両面から
こういうわけで、パニック障害は、それを発症しやすい体質素因自体は遺伝の要素はあるものの、直接の原因は、幼少期に形成された思い込み=スキーマと生活習慣と、そのときかかっていたストレスの複合と考えられます。なかなか治らない人も「遺伝だから」などと絶対にあきらめないで下さい。
パニック障害に対して認知行動療法の有効性が確かめられています。薬物療法しか受けたことがない人は、こうした心理療法も試してみることをお勧めします。それも受けたけれどもよくなっていない人もあきらめないで下さい。
確かに認知行動療法では、認知の修正を試みます。しかし、「早期不適応的スキーマ」という一番根っこにある部分まで扱える療法家はほんの一握りだと思います。
私は、そのレベルと、それよりさらに深いレベルで赤ちゃんのときに自然発生する思考パターン=イニシャル・スキーマ(私が命名しました)のレベルから問題を解消します。
また、医師でも、心理療法家でも、パニック障害には食事や栄養の取り方が非常に影響を与えるというところから適切なアドバイスを行っているケースは極めてまれなのではないかと思います。一言で言えば、血糖値を安定させ、潜在的鉄欠乏やクロムなどのミネラル不足を解消する必要があります。
なお、パニック障害を治す、防ぐための食事や栄養の取り方に関する考え方は、二型糖尿病の場合と基本的に同じです。下記記事も参考にして下さい。
パニック障害は、潜在意識の奥深くに潜む、幼少期の記憶や思考パターンが深く関わっています。そうしたものを解消するためには、個人セッションをどうぞ。スカイプでも対応しています。
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