今だに「昭和」の価値観「マスタービリーフ」とは?
「昭和時代の価値観」の支配されていると・・・
あなたは今だに「昭和時代の価値観」に支配されていませんか? 今、様々な生きづらさを抱
え、カウンセリングを受けに来られる方の潜在意識を分析したところ、あまりに多くの人が今だに「昭和時代の価値観」に支配されていたことがわかりました。
動画セミナーの「昭和症候群」を約5分に編集したダイジェスト版をご覧ください。日本人の価値観がどのように作られてきたのかが概観でき、気づくことが変わる第1歩になります。
昭和の価値観とは?
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遠慮、我慢、研鑚努力、自己犠牲、
そして、多くは受け取らない
謙遜、自重、慢心を避けるため、
自信を持たない、自分下げをする
自分はまだまだだ、ここがダメだ、
あそこがダメだ、まだ栄誉を
受けとる資格はない、と自分に
鞭を打ち続ける
苦労することは美徳であり、
苦労することで人間の価値が上がる
屈辱感や悔しさをバネにして、
ど根性を発揮することが素晴らしい
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昭和時代の「美徳」を体現するキャラとしては、「おしん」と「星飛雄馬」などをあげることができます。
やたら苦労はするけれども、自分を責めたり、自分下げをしたりする癖があり、手に入れるものは少ない、いわゆる苦労性、貧乏性の人の多くは、自分では自覚がなくても、子供の頃から親に刷り込まれた「昭和時代の価値観」に支配されている可能性があります。
潜在意識が人間を支配する仕組み
人間の潜在意識のしくみを詳しく解明する研究を20数年続けてきて、ついに究極的にその人のあり方を決めるシステムに辿りつきました。
人間は、胎児期から始まって、生い立ち過程で経験したこと、メッセージを受けとったことなどに基づいて、「スキーマ」という思考の枠組みを作ります。これが、その人の考え方、感じ方、反応の仕方などに大きな影響を与えます。
その枠組みが、生きづらさや、ブロックの原因になっていたり、うつやパニック、対人緊張や過剰な不安などの原因になっていたりする場合が多く、その原因となる「スキーマ」を書き換えることで問題が解決するということがありました。
しかし、何度、書き換えても再生する部分や、書き換え自体はできたはずなのに変わらない部分が残ります。今多くの人が、「潜在意識の書き換え」を標榜していますが、このことをはっきり語る人は稀です。
実は、潜在意識というのは、何重もの構造でできているのです。
そもそも、幼少期、生い立ち過程で作られた思考の枠組み=「スキーマ」があるというだけでは、刺激に対する反応パターンが作られるだけです。
しかし、それらをベースにして、物事を判断する基準となる価値観やこの世界でどういう生き方をしたらいいのかというもっと大きな枠組み、筋書きが作られ、それがその人のあり方、生き方を支配するようになります。
このようなものを「潜在的適応戦略」と呼んできました。これは、思考の中枢部に深く入り込んで保存されます。一般的な「スキーマ」よりも高度化され格上げされているのです。
「メタ認知機能」とは何か?
「メタ認知機能」とは、認知を認知する機能を指します。つまり、自分の考えや感じ方、感情などをモニタリングして、それらを調整したり、押さえ込んだり、助長したりする働きのことで、一般的には対自能力とも言います。
つまり自分を客観的に観察しコントロールする機能ということができます。
今、心理療法の主流といえば認知行動療法で、これは「認知の歪み」を見つけて修正することで心理的な問題を解決しようとするものです。このような心理療法は、「メタ認知機能」が健全に働いていることが前提で成り立っています。
長らく「メタ認知機能」というのは、好ましい働きをしている面しか認識されていませんでした。ところが近年、「メタ認知信念」といって、考え方や感情に関する信念が自分で気づかないうちに心理的な問題の原因になっている場合が少なくないことがわかりました。
例えば、自分のダメ出しを延々と繰り返す癖のある人。「自分のダメ出しをすることは、改善の役にたつ」という「メタ認知信念」を持っていて、自分の状態を改善しようという隠れた意図のもとでそうしている可能性があるのです。しかし、実際には役に立っていません。
ほか、心配しだすと止まらない人、えんえんと堂々巡りの思考にハマる人、悲しみから抜け出せなくなる人、いつも何かしら不満を燻らせている人、いつも誰かしらに怒りを抱いている人など、実は「メタ認知信念」が働いた結果でそれらには隠れた意図が潜んでいる場合があります。
例えば、ずっと親を恨み続け、それがやめられない人がいました。実はそれには「自分は親のような人間には絶対になりたくない」という隠れた意図がありました。でも、自分はすでに親のような人間ではなく、それがもう必要ないと納得して手放したら、恨みが消えたというケースがありました。
「マスター・ビリーフ」とは何か?
このように「メタ認知信念」というのは、ある特定の思考や感情を抑圧したり助長したり調整することで、非常に幅広く影響を与える、まるで思考や感情の「黒幕」のような存在です。
「メタ認知信念」は、思考や感情に関する信念を指します。そして、よく調べてみると、自分のあり方、人間のあり方、人間の価値づけ、人生の価値づけなどに関する信念というのも存在し、これらもまた、思考や感情の「黒幕」のように、非常に幅広く人生に影響を与えていることがわかりました。
そこで、先に説明しました「潜在的適応戦略」とか「メタ認知信念」、さらに自分のあり方、人生のあり方に関する信念というのは、非常に幅広く人生に影響を与え、いわゆる思考の枠組み=「スキーマ」とは別格に存在するということで、総称して「マスター・ビリーフ」と呼ぶことにしました。
例えば、「私は無価値だ」という内容の「スキーマ」があったとします。だからと言って、普通は四六時中「私は無価値だ」と考えるわけではありません。
失敗したり、批判されたりした時に「やっぱり自分は価値のない人間なんだ」と言った思考が起こり、落ち込むというような反応は起こし得ます。
また、過剰補償と言いますが、自分の価値を高めなければ、と自分にプレッシャーをかける傾向も現れます。ですから、上の図(ニューロロジカル・レベルという概念を表しています)で言えば、反応、傾向として現れるのですから「行動」という範疇です。
ところが、「私は生まれつき価値のない人間なのだから卑屈に振る舞うことで存在を許してもらい批判を避けてひっそりと生きる」というある種の「適応戦略」にまで発展すれば、四六時中卑屈に振る舞うようになるでしょう。
この場合、上の図で言えば、自己認識にまで「私は無価値だ」が入り込んだことになります。
人は誰でもなんらかのマスター・ビリーフを持っていて、それを指針に生きています。しかし、多くの人は、自分のマスター・ビリーフを自覚していません。
私たちは、知らないうちにこの、マスター・ビリーフに基づいて、自分の思考や状態をチェックし、軌道修正を行い、ある方向づけをしているのです。
その内容を読み解いて修正するワークがリバティ心理学に追加されて以来、すでに多くの事例が蓄積されてきました。
ウィルバーの段階的発達論との関係
哲学者・心理学者のケン・ウィルバーによると人間の社会には発展段階ごとに、特徴ある価値観、行動様式が現れるとして、それぞれの段階ごとに色を当てはめています。
戦いに勝った者が負けた者を奴隷にして支配するような野蛮な社会は「レッド」
身分関係や家柄とか格といったものや封建的道徳観念に縛られているような社会は「アンバー」
利益の追求と競争を特徴として多くの人が経済的な成功や出世を求める社会は「オレンジ」
これで見ると、戦前など古い時代の日本は、「アンバー」、だんだん「オレンジ」に移行してきたことがわかります。
しかし、「アンバー」な価値観は、潜在意識に根強く残っていることがわかってきました。それも日本独特のカラーがあります。
先に挙げた「昭和」の価値観とは、まさに日本的な「アンバー」です。これが「オレンジ」になりますと
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人間の価値は稼ぎで決まる、
家柄よりも本人の頑張り
いい学校を出ていい会社に就職して
そつなく働いて昇格することに価値
がある
人よりもいい家、いい車、いい持ち物
を持つことが素晴らしい
ステイタス・シンボルを得ることが
価値のある人間の証だ
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世の中には、こういう価値観で生きているケースも珍しくないと思います。特にバブル時代などは、こうした価値観が広く社会を覆っていたように思います。
しかしなんらかの生きづらさを抱えている人の多くが、アンバー色が濃厚に残る昭和的な価値観が、マスター・ビリーフとなっていました。
ところで日本的「アンバー」の「勤勉、努力、我慢、質素、倹約、謙遜、自己犠牲、苦労することをよしとし、そして目立ったり多くを得ようとせず縁の下の力持ちに甘んじる」というのは、はたして誰にとって都合が良い考え方なのでしょうか?
実は、軍国主義時代の支配者層にとって都合が良い内容だとわかります。つまり美徳と言えば聞こえが良いのですが、実は支配層に都合の良い人間に自らなることで、安全、安定を得ようとする適応戦略だったことがわかるのです。
それがダメだとか間違っているということではなく、それを通じて得られるものもあったけれど卒業するという選択肢があります。
新しい価値観の世界へ
では、「オレンジ」より進んだ段階とは、どういうものでしょうか?
それは、ウィルバーの共同研究者、社会学者のフレデリック・ラルーによると「ティール」(青緑)という段階であるといいます。
これを私の言葉で言えば
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それぞれの人がその人らしさを
最大限に発揮することに価値を置く
支配、服従という関係がなくなり、
信頼関係と柔軟な連携によって
社会が成り立つ
お金は単なる手段の一つに過ぎず、
社会的な目的が中心
上下優劣の比較がなくなり、
それぞれの固有の存在価値を
重要視する
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実際に世界のあちらこちらで、上下関係も管理部門もないのにお互いの連携により非常に効率的に業務を成り立たせているような事業体が出現し始めているといいます。こういう組織をラルーは、「ティール組織」と呼んでいます。
これは、個人のレベルで言えば、マズローのいう「自己実現の人」という段階、自我発達の概念で言えば、「成熟した自我」の段階に該当すると言われています。
自我の発達段階との関係
ここで、人間個人の自我の発達について振り返ります。
人間が生まれてくると、最初は、「初期自我」という段階があります。最初は欲望の赴くままだったのが、しつけによってだんだんお行儀が良くなり
ます。思考の枠組み「スキーマ」の基本的な部分が作られる段階です。
7歳くらいになると、インナーペアレンツ と言いますが、親の考え方、価値観などを取り込むよ
うになります。親に怒られるから、褒められるから、という基準で物事を考えるようになります。また、自分でできることは限られているので、親に依存し、依存の裏返しで「〜してくれなかった」という不満を持ちやすいのも特徴です。このような段階を「中期自我」と言います。
13歳くらいになると自我が目覚め始め、自分を親とは異なる独自性を持った存在と感じるよう
になります。「メタ認知機能」が発達し、自分の基準で自分を律するようになります。二次反抗期を通じて、「絶対者としての親」からの自立が始まります。このような段階を「後期自我」と言います。
ただ、「中期自我」から「後期自我」への移行は、ある年齢に達したから即座に起こるようなものではありません。むしろ、10代に始まり、その後長い年月をかけて進行する過程と考えた方がよいと思います。
後期自我らしい特徴としては、経済的、精神的に自立し、自分なりの考えや価値観を持ち、自分なりの意思や意見を持ち、自分の規範に基づいて自分を律し、自分の言動に自分で責任を負うということが挙げられます。
そういう意味では、年齢的に大人になっていても、本当には後期自我まで到達しておらず、中期自我的な特徴を多く残しているケースも多いことがわかります。依存的、被害者意識を持ちやすい、権威を盲信する、指示されないと動けない、マニュアル通りのことしかできない、人のせいにする、こうした傾向は、中期自我の特徴です。
ただ、大人らしい大人と言える後期自我にも限界があります。中期自我から後期自我に移行する過程で、人は「ペルソナ」(仮面)を作ります。これは「社会に向けた顔」というニュアンスで、この過程で自分のよくないと判断した面(例えば、弱さ、構って欲しがり、褒めてもらいたがり、など)を抑圧し隠してゆきます。こういう面を「シャドー」(影)と言います」
そして、「こうあるべき」、「ああしなければならない」という多くのルールで自分を縛りながら生きることになるのです。その一方で、「こうでない」「ああしない」ことが許せず、しばしば他人も自分も批判します。人に上下優劣をつけ、自分ができるだけ「上」「優」であろうとします。
「後期自我」の先の世界・「成熟した自我」
しかし、約8割の人が、「中年の危機」とか「ミッドライフ・クライシス」と呼ばれる不安定な時期を迎えると言われます。これは、これまで作り上げた「ペルソナ」を破棄し、本来の全き人間でありたいとする衝動が起こって来るためと言われます。
本当に自分の人生はこの延長で良いのかという疑問が起こり、これまで大切だと思ってきた価値観が揺らぎ、人によっては狂おしいほどの葛藤を体験します。この時期に退職や離婚、大病や破産などを経験する人もいます。
このような過程を経て、現状約5%程度の人が、「成熟した自我」と呼ばれる段階に到達していると言われます。
「成熟した自我」に達した人の特徴は、精神的に安定し、自分の価値観や意見は明確に持っている一方で、自分と異なる価値観や意見にも寛大で、上下優劣、正しい、間違っているなどのジャッジをむやみにしません。自然体で、自分自身を最大限に生かして、世の中に対して何ができるのかを追求します。一方で意外ですが、子供時代のように熱中する、夢中になる、天真爛漫さを取り戻す側面もあると言われます
この段階に達した人の世界観には、「良い、悪い」「ラッキー、アンラッキー」といった二元論がなく、「すべてのそれぞれの意味がある」という捉え方になり、嫉妬、羨望、比較といった観念にとらわれることがなくなるといいます。また、目標を立てて頑張るのではなく、インスピレーションに導かれてミッションに没頭する傾向があるといいます。
芸術家や文学者など、この境地に達して以降、個性が際立ち、歴史に残る作品を残しているケースが多いとも言われます。
「後期自我」から「成熟した自我」への移行過程を「実存的変容」ともいいます。
こうした「成熟した自我」の特徴を捉えて、「こうあるべき」と考えるのは本末転倒で、精神的発達の結果、自然にそうなるということですが、そのイメージを持つことでよりスムーズに移行できる可能性があります。
リバティ心理学のミッション
「成熟した自我」に移行する過程で、大病、離婚、経済的破産、人によっては臨死体験などのドラスチックな体験を経るケースも少なくありません。
しかし、そうしたドラスチックな体験を経なくても、「実存的変容」は可能と考えられます。起こり始めた変化に抵抗したり、変化の意味を自覚できずにもがいた結果、破壊的な結果になっていると考えられるからです。
これまでの心理学で、「後期自我と中期自我が入り混じり、生きづらさを抱えた状態」から「成熟した自我」への移行過程全体をサポートするすべはありませんでした。
なぜなら、どの心理学の体系も、人間の心の仕組みや発達の仕組みのある側面、断片しか捉えておらず、「スキーマ」などの潜在意識の微細構造から自我発達という大局までの全体像を包括したものがなかったからです。
そのような理論、技術体系の構築を目指してきたのがリバティ心理学です。libertyとは「自由」という意味です。freeの場合は、単に「制約がないこと」を意味するのに対して、「制約がある状態から解放されて実現する自由」を意味するので「解放」と約することもできます。魂の解放のための心理学です。
今、人類の歴史的な発達段階自体が、人間で言え魔「後期自我」から「成熟した自我」への移行期にあると言われます。「成熟した自我」に達する人が現状5%程度と言われる状態から急速に増え、それが10%程度に達した時、時代全体の価値観や社会のあり方が激変すると言われます。
差別や抑圧がなく、人がそれぞれの可能性、個性を最大限開花させて生きる世界へ、リバティ心理学はそんな世界を目指しています。
自我発達とマスタービリーフに関する無料診断
なお、一般の方向けの「マスタービリーフに関する無料診断」は終了しました。自分でチェックするために用いることはできますし回答内容はメールで届きますが、個々人への回答は行いません。こちらは、個人セッションを受けられる方の事前分析と、セミナー受講生の実習用です。