失敗が怖い・失敗を恐れる、すぐ挫ける、あきらめるの克服/「粘り強さ」の心理学
このページにたどり着いたあなたは、次のような問題を抱えていませんか? もしそうなら、あなたはせっかくのあなたの能力や可能性を大きく制限しています。そして、それを変えることは可能です。
失敗をすると落ち込んだり自分を責めたりする
失敗すると自分に欠陥があるからだと感じる
失敗するとやっぱりダメだと思いすぐあきらめる
期待に応えられないと自分に価値がないように感じる
誤りを犯すと罪悪感に苛まされる
批判されると自分そのものが否定された気になったりする
私は、根性論を述べようというのではありません。この文章を最後まで読むとお分かりいただけると思いますが、むしろその逆です。ものごとを粘り強くやり通せるかどうかは、根性よりも、考え方、信念の問題なのでそれは変えられるということを主張したいのです。
近年は、昔流の根性論が敬遠される傾向があります。人が成功したり幸せを手に入れるのに必要な大きな要素として「粘り強さ」がクローズアップされています。
ノーベル済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン氏は、人生の成功には、自制心や粘り強さなど、「IQテストでは測れない能力」が重要と主張しました。
かなり有名な法則になっているので、聞いたことがある人も多いかもしれませんが、スポーツでも音楽でも何でも、何かに習熟して一流になるのに、人は1万時間の練習(積み上げ)が必要なのだというのです。『天才! 成功する人々の法則』という書籍を書いたマルコム・グラッドウェル氏が発表したものです。
「粘り強さ」の要素はいろいろあるとおもいます。その中で、何と言っても簡単に挫けたりあきらめたりしないでいられるという要素は多いのではないでしょうか?
その意味で先ほど上げたような考え方のパターンは、粘り強さを損なうものであることは間違いないでしょう。プロセスで失敗しない人はいません。成功した人というのは、失敗しなかった人ではなっくて、むしろたくさん失敗して、失敗してもそれを前向きに捉えて乗り越えてきた人と言えます。
トーマス・エジソンは、1個の電球をともすまでに1万回以上失敗したといわれます。それを人に「1万回も失敗して大変でしたね?」と聞かれこう答えたという話は有名です。「いいえ、私は失敗などしていませんよ。1万通りのうまくゆかないやり方を発見しただけです。」
失敗を破局的に捉えるか、前進のプロセスとして捉えるかという考え方の枠組みが大きな違いを産むのです。この違いに関する研究をスタンフォード大学のキャロル・S・ドゥエック博士は、20年もかけて研究しました。
失敗に対する捉え方の2つのマインドセットの違い
ここで、冷静に振り返ってみましょう。あなたが子供の頃に失敗をした事、誤りを犯した事、叱られた事は、あなたが生来的に能力や資質が劣っていたからでしょうか? 生まれつき悪い人間だったからでしょうか?
冷静に考えれば、そうではない事が分かるでしょう。人間は、誰でも失敗し、誤りを犯し、時に批判や叱責を受けるものなのです。ましてや、子供の頃は、様々な失敗をし、誤りを犯し、叱られながら成長するものなのです。
そのときに養育者がとる適切な態度は、子供に何を改めたらよいか考えさせて、そこから何かを学んで成長できるように手助けをする事なのです。
ところが、多くの養育者が、失敗や誤りに対して、「お前は馬鹿だ」「お前はだらしない」「お前はちゃらんぽらんだ」「お前はおっちょこちょいだ」など、それが生来の資質に由来するかのようにレッテルばりをして、その「悪い性質」を罰することで矯正しようとします。
それによって、上記のような思考パターンが形成されるといわれます。どこの親も、自分の子供をだまそうとは考えていないでしょう。よかれと思ってやっているはずです。
しかし、だますつもりはなくても、多くの子供がこうしてだまされて育ち、だまされたまま大人になるのです。そして、次の世代にも同じような考え方を植え付けてしまうのです。
すると、失敗する事や誤りを犯す事、批判される事は、自分がよくない人間である事が白日の下に晒される事だと考えるので、望んだ事を実現しようとする事よりも、自分が成長する事よりも、まず失敗、誤り、批判される事を避ける事、人から賞賛されそうな行動をとる事が優先されてゆくのです。それで賞賛されているうちはいいのですが、ひとたび、失敗したり、誤りを犯したり、批判されると、心が挫け、立ち直れなくなるのです。
このような、考え方をキャロル・S・ドゥエック博士は、fixed-mindsetと名付けました。
それに対して、失敗や誤りを犯す事、批判される事を学びの契機としてとらえ、そこから成長を求めてゆく考え方をgrowth-mindsetといいます。
この違いが長期的には、成長し続けて、成功を持続できるか、どこかで挫折してしまうのかを分けている、これがキャロル・S・ドゥエック博士の20年に渡る実地研究の結論だったのです。また、自分はダメだと思ってやる気を失っていた子供でも、マインドセットを変える事で、意欲を示し成績も上がる事が確かめられています。
マインドセットを変えるためのワークショップに参加した子供の事例がこのように語られていました。
・・まるでやる気のなかった彼が目に涙を浮かべながら「ぼくはバカだと決まった訳じゃないんだね」と言ったのである・・・そしてその後、熱心に勉強をするようになり成績も急速に上がったのです。
私がこれまで研究し、扱ってきた早期不適応的スキーマとの関係で見ると、fixed-mindsetには、欠陥/恥スキーマ、不信/虐待スキーマ、見捨てられ/不安定スキーマ、失敗スキーマ、罰スキーマという、私が5大スキーマと呼んでいるものがまさに下支えになっている事が分かります。
しかし、それでは、これらのスキーマを解消すれば自動的にfixed-mindsetが、growth-mindsetに変わるでしょうか? ある程度変化するところはあると思います。
しかし、早期不適応的スキーマだけではなくて、もっと成長する過程で形成された様々な思考パターンによっても支えられている事が分かります。特に、私が「意味付け/定義の思考パターン」と呼んでいる一連の思考パターン群があります。
それらの多くは、「◯◯である事は、■■である事を意味する」「△△でない事は、□□である事を意味する」といった構文で表されます。ですからこの種の思考パターンを探すときに、「◯◯である事は、あなたにとって何を意味しますか?」という質問をよく使います。
代表的な思考パターンとしては、
「失敗する事は、無能である事を意味する」
「誤りを犯す事は、悪い人間である事を意味する」
「優秀でないなら無価値だ」
「親の期待に添えないなら、いらない人間だ」
といったものです。後半が、拒絶される、非難される、否定される、罰を受ける、無視されるなどに連結している思考パターンもあります。
マインドセットは望むように変えられる
しかし、マインドセットを変えるためには、これまで自分がどんなマインドセットで生きてきたのか、その結果どうだったのか、これから先の人生がどうなるのか、どんなマインドセットで生きて行きたいのかを明確化する必要があるでしょう。その方向性の中で、個々の思考パターンを新しい思考パターンに置き換え、実際の考え方や行動を変え、それを定着させてゆく必要があります。
ドゥエック博士自身、マインドセットを変えるのは容易ではないと述べていますが、私は必ずしもそうは思いません。なぜなら、思考パターンを書き換えるテクニックを応用してプログラムを作成できるからです。
あと、ドゥエック博士が研究したgrowth-mindsetとfixed-mindsetの違いの他に私は、creative-mindsetとmanual-mindsetというようなマインドセットの違いも存在すると思います。私は、潜在意識のレベルにプログラミングされたマインドセットを設定し直すことによって、目標や願望を実現できる状態にして行くことができると考え、体系化を進めてきました。このようなテーマでのサポートもお任せください。
多くの人が潜在意識に、豊かになったり、成功したりすることを妨げる「隠れた信念」を持っていることが分かっています。
私は、潜在意識に存在する「隠された信念」をインナーチャイルド、インナーベビーという概念で表して、誰でもそれを簡単に自己分析できるようにしました。
そして、自分でそれに向き合って変更する方法を含めて1冊の本にまとめました。LibertyWings®プログラムの最も根幹をなす考え方はこの本にまとまっています。
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