学習性無力感(学習性無気力)の原因と診断、克服、改善方法
このページにたどり着いたあなたは、夢や願望はあるけれども意欲がわかず行動が起こせないという問題でお悩みですか?
あるいは、自分が本当はどうしたいのかということ自体が分からないという問題ですか?
どちらにしてもそれはあなただけの問題ではありません。そしてそれは克服、改善可能な問題です。このテーマについて、心理学の観点から解説と解決方法について述べて行きます。そこで重要な二つのキーワードがあります。
一つは、「潜在意識」。ご存知だと思いますが、普段自分で意識していない無意識が意識全体の約90%を占めています。
例えば、車を運転するときに、慣れればいちいちハンドルを切るとかペダルを踏むとか意識しなくても操作ができます。だから車を運転しながら音楽を聴いたり会話をしたりすることもできるのです。
もう一つは、「メンタルブロック」。人間が何か行動等を起こす場合に、出来ない、ダメだ、無理だと否定的に考えてしまうような思い込みによる意識の壁、あるいは抑止したり制止したりする思考のことです。
このような思考パターンが潜在意識にある場合、自分でも理由が分からず、意欲がわかなかったり、行動をためらったり、行動を起こそうとすると具合が悪くなったりするのです。
人間以外の動物にもある「学習性無力感」の例
こんな話があります。サーカスに連れられているゾウは、地面にさした小さな杭と紐で結ばれています。ゾウの力では簡単に引き抜いて逃げられそうなのになぜかそうはしないのです。
それは、まだ小ゾウのときに、何度となく逃げる努力をしましたが杭が抜けなかったのです。
小ゾウは、その時の失敗体験によって、自分は自分の力では逃げられないのだと失敗体験で無力感を感じ挑戦しても逃げられないのだと固定観念を植え付けられたのです。
だから、大きくなって逃げようと思えば十分に逃げられるだけの体力を得た後も、逃げられないと思い込んだままなのです。
ノミの中には、30センチもジャンプするものもいるそうです。体長数ミリのノミにしては、100倍程度ということになり、これを人間の身長に当てはめると百数十メートル級のとんでもない大ジャンプということになります。
そして、ノミを高さ10センチのところに蓋がある容器でしばらく飼うとどうなるでしょう。ノミは、高さ10センチの蓋に繰り返しぶつかることになります。
それを繰り返しているうちに10センチ以上跳ぼうとはしなくなります。その後、蓋を取ってもやっぱり10センチ以上は跳ばなくなるのです。
これは、10センチ以上飛ぼうとしても蓋にぶつかるだけ、あるいはそれ以上跳ぶのは不可能、それ以上跳ぼうとしても無駄というようなことを学習したと考えられるのです。
ルーティン・セリグマンの犬を使った実験
このような事は人間でも同様です。少なからぬ人が、「学習された無気力」という問題を抱えているからです。これは「学習性無力感」または「学習性無気力」ともいいます。
もとはと言えば1960年代にルーティン・セリグマンという心理学者が唱えたものです。犬を使った実験で、逃げようとしても無駄だったという体験を繰り返しさせると、逃げられる状況になっても逃げようともしなくなるというものです。端的に言えば、「何をやっても無駄だ」というような信念ができるということです。
人間の場合、さらにK.R.ポッパーが唱えたエディプス効果というものが加わります。それは、ある予想が行われた場合に、それが当てずっぽうだったとしても、予想されたこと自体が結果に影響を与えて、結果的に予想どおりになってしまうことを指します。
例えば、AチームとBチームの試合でAチームが勝つだろうという予想を意図的に広めておくと実際にAチームが勝つ確率が高くなるという事です。
他人が勝手にいう場合でさえそうなのですから、自分で自分の未来について、夢や願望などかないっこないとか、やっても無駄だなどという予測を立てている場合にはましてやそのネガティブな影響は絶大です。
「学習性無力感」は、なぜできるのか
「学習性無力感」は、大きな挫折を1回だけ経験した場合よりも、小さな挫折を何回も繰り返した場合のほうが、なりやすいということです。
また、努力しなかった場合よりも、 かなり努力しても効果が得られなかった場合に、学習性無力感になりやすいのです。
だから記憶に特に大きな挫折体験がなくても、小さな挫折をくり返した結果である場合が多いのです。
また、努力した上で挫折する事で精神的なダメージを受けるのが恐いから最初から努力自体をしないという事もあり得るでしょう。
その素地の多くの部分は子供の頃にできたと考えられます。
子供の頃にやりたかった事を片っ端からダメだと禁止された。
自分なりの考えを述べたら鼻からせせら笑われた。
自分なりに工夫したつもりが結果的に失敗して「だから、いわれた通りにしていればいいんだ」などと言われた。
少し難しいことにチャレンジしようとしたら「お前には、どうせ無理だからやめておけ」と言われた。
やってみて失敗したら「だから言わんこっちゃない、お前には無理なんだ」と言われた。
子供のときやたら高い基準を満たすよう要求され、期待に応えようとし続けたけれど、あるとき挫折した。
などなどいろいろなケースがあるでしょう。子供のころから「高望みはするな」と言われながら育ったというケースもあるでしょう。
みんなの注目が集まる、ここ一番というときに失敗したという体験がトラウマになっているケースもあるかもしれません。
このような体験が繰り返させることで、いつしか自分なりに考えることをやめてしまった、あるいは、自分の考えに基づいて行動を起こせなくなった、チャレンジができなくなったということがあり得るのです。
その結果、自分がどうしたいのかも分からない、誰かから与えられた枠組みの中でしか考えられない、行動できないという型にはまってしまうのです。
人は、自分が自分に許していないことを人がやるのを見ると非難や否定をしたくなる性質があります。
学生時代にだれかが際立った事をすると「あいつ目立ちやがって」とか「カッコつけやがって」などと考えたり、誰かが言っていたりするのを聞いた事はありませんか?
すると、自分ではますます枠を超えた思考や行動ができなくなるのです。今度は自分が嫌われたり非難されるのではないかという恐怖感が起こるからです。
「学習性無力感」は治療も克服できる問題です
夢や願望とは人から与えてもらうものではなく、自分で作り出すものです。中には夢や願望自体が湧かなくなる、あるいは心で思っても、はなから絵空事のようにしか思えないという人も少なくありません。行動を起こそうとするとブレーキがかかってしまう人もいるでしょう。
ですが、人間はゾウやノミとは違います。このようなからくりに気づくこともできますし、自分の意志で杙を引き抜いて行きたいところに行くこともできます。
まずは、メンタルブロックの存在に気づくことが第一歩です。 では、学習性無力感をひき起こすメンタルブロックにはどのようなものがあるでしょうか?
→すぐに改善したい
「隠れた信念」=スキーマとは何か?
これまでの心理学の研究の中で、人間の潜在意識には、普段は気づきにくい「隠れた信念」がいろいろある事が分かっています。
そしてそれらを前提にしてものを考えるのが当たり前になっているのです。
このような、基盤となるような信念体系をスキーマ(schema)といいます。スキーマという言葉は、コンピューター用語としては、「データベースの基本構造」という意味でも使われます。
心理学者のジェフリー・E・ヤング博士らは、問題や制約を作り出す基盤となるようなスキーマの多くは、主に幼少期に養育者との関係の中で形成されるとしました。
そして、幼少期に形成され、成長した段階ではもはや不適切なものになったスキーマを「早期不適応的スキーマ」と名付けました。
そして、それらは18種類に類型化されるとしました。専門用語だとカタいので、私はそれをインナーチャイルドと呼ぶ場合もあります。
ここでは、その18種類全部については触れません。「学習性無力感」に関係するものの一部だけを紹介します。
まずは、前提として自分を無価値、無能、役立たず、迷惑な存在、嫌われ者、欠陥人間などと見なすようなスキーマの存在があります。
そういうスキーマがあれば必ず「学習性無力感」が生じるというわけではありません。むしろ「過剰補償」によってそういう状態から抜け出したいという強迫観念が意欲に結びつく事もあります。
しかし、これを持つ人は、ある時は無気力、ある時は強迫観念でしゃかりきになるというようにぶれる傾向があります。
このようなスキーマは、欠陥/恥スキーマと呼ばれます。私は、やさしいことばで「恥と卑下のチャイルド」ともいいかえています。詳しくは下記リンクをごらんください。
次に、自分はひどい扱いをされるだろうと思い込むスキーマがあります。内容は、攻撃される、怒られる、禁止される、非難される、嘲笑される、バカにされる、否定される、さらし者にされるなどいろいろあります。
ただ、こと「学習性無力感」の原因になりうるとなると限定されます。例えば次のような内容の信念があれば起こりえるでしょう。
「私のやる事は常に否定される」 「私がやりたい事は常に非難される」 「失敗するとバカにされる」 「完璧でないと攻撃される」
このようなスキーマは、不信/虐待スキーマと呼ばれています。私は、やさしいことばで「いじめられ不信チャイルド」ともいいかえています。詳しくは下記リンクをごらんください。
次に、自分がやる事は失敗するだろうと思い込むスキーマがあります。内容は、私は常に失敗する、私が考えた事は失敗するといったものです。
もしあなたが、「どうせうまく行きっこない」とか「やってもダメだろう」という考えにとらわれて、やる前にあきらめるクセがあるとしたら、このスキーマの影響を受けているかもしれません。
また、人の指示やマニュアル通りの行動はできるのに、自分で判断しなければならないとなったとたんに自信がなくなるのも関係があります。
誰かしらに相談したり、賛成や後押しを受けないと行動が起こせないとしたら、それも関係があります。
このようなスキーマは、失敗スキーマと呼ばれています。私は、やさしいことばで「失敗予測チャイルド」ともいいかえています。詳しくは下記リンクをごらんください。
フィクスド・マインドセットとは何か?
また、ヤング博士が類型化したスキーマとは別に、さまざまな「隠れた信念」があなたの足を引っ張っている可能性があります。
その中の大口としては、スタンフォード大学心理学教授のキャロル・S・ドゥエック博士が20年かけて研究したという「フィクスド・マインドセット」(fixed mindset)があります。これは、失敗を自分の生まれ持った能力や資質のせいだと考える思考の枠組みを指します。
具体的に言えば、失敗したときに「やっぱり自分には無理なんだ」「自分だから失敗したのだ」「失敗したのは私の生まれつきの欠陥のせいだ」などと捉える考え方です。
その原因としては、子供時代に失敗した時、親がどういう態度をとったかが関係するといわれます。あなたは自分には関係ないと思うかもしれません。では質問します。
失敗すると落ち込んだり自分を責めたりしませんか?
急に自信がなくなったりしませんか?
そうでしたら、このマインドセットの問題があります。
実は子供のころは誰でもたくさん失敗をします。当たり前の事で、誰でも失敗しながら成長するのです。そして失敗したときに、養育者が「今度は、どこを気をつけたらいいと思う?」など問いかけたりすれば、失敗は学ぶ契機だという捉え方ができます。
ところが多くの親は、つい「お前はなんて馬鹿なんだ」とか「お前は失敗ばかりして」などと個人の資質に原因があるかのように結びつけて怒ってしまいます。
こういう事がくり返されると、「失敗する事は悪い事だ、そしてそれは私が無能であるか重大な欠陥がある事の証明なのだ」というような考え方が刷り込まれてしまうのです。
すると失敗すると落ち込む、失敗すると自分を責める、失敗する事が恐ろしい、失敗するくらいなら最初からやらない方がよい、というような考え方が身に付いてしまうのです。
信念の内容をフレーズにすると「失敗する事は、私が無能であることを意味する」「失敗する事は私がダメな人間である事を意味する」といったところでしょう。
「心の中の辞書」を点検しよう
これとはさらに別に、私たちは知らず知らずのうちに、自分の潜在意識に「辞書」を持っています。そこで、失敗という言葉の定義がどうなっているのかが問題です。
例えば「完璧でないなら失敗だ」とか「相手の期待通りでないと失敗だ」という定義になっていたらどうでしょうか?
これではやった事のほとんどを「失敗」と定義づけてしまうのではないでしょうか? こういうのは、厳しすぎ、口うるさすぎの親のもとでできやすいものです。
また、「失敗は恥である」という定義もあるでしょう。失敗を笑われたり、「こんな事もできないの?」というような問いつめ方をされた経験はその原因になりえます。
「失敗は迷惑である」「失敗は損害である」というような定義もあるでしょう。例えば、子供のときに不注意で何かを壊してしまったときに、それがいかに高価なものであったかなどを言って責めるような対応をされるというのも原因になり得るでしょう。
このように、失敗という事が一つとっても、人によって定義が異なります。その定義が不適切な定義になっているのであれば、適切な定義に修正する必要があるでしょう。
ちなみにことばの上では、失敗は成功の反対語に見えます。ところがいわゆる成功者というのは、失敗しなかった人ではなくて、むしろ人より多くの失敗を乗り越えた人なのです。
例えば、エジソンが1個の電球をともすまでに1万回失敗したというのは有名な話です。
根本的に失敗を損失と考えるか、学びの契機と考えるかというような違いがあるのです。
解決は潜在意識の最も深いレベルから
この問題を解決するためには、潜在意識の最も深いレベルの仕組みを解明した最先端の心理療法が必要です。そして最先端の心理療法では、原因も仕組みも解消方法も既に確立していますし、短期間でほとんど確実に改善します。
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