コンプレックスとは何か?/心理学の統一理論
「コンプレックス」とは何か?
コンプレックスと聞くと、多くの人が「劣等感」という意味に解釈するのではないでしょうか?
もともとは、「複合体」という意味で、心理学用語としてこの言葉を最初に使ったのはフロイトでした。
今でも精神分析用語として、抑圧された感情の複合体という意味で使われています。
その後、ユングもアドラーもこのことばを使いました。
特にアドラーは、劣等コンプレックスを重要視しました。
日本では、アドラーの個人心理学に普及とともに、いつしかコンプレックスと言えば劣等感の同義語のようになってしまいました。
ただ、自然科学の世界だったら、古い時代に使われた概念が別な概念に置き換えられたり、新しい定義に置き換えられたりして行くのが普通です。
認知心理学や脳科学と言った新しい学問が発達している現在、コンプレックスということばも定義し直した方がよいのではないでしょうか?
コンプレックスとスキーマの関係
私は、カウンセラーとして、ジェフリー・ヤング博士のスキーマ理論を重要な指針としてきました。
スキーマとは、潜在意識の深いレベルにあって、思考の前提となるような信念、思い込みのようなものです。
コンピューター用語では「データベースの基本構造」という意味で使われます。
人間のスキーマも似たようなもので、中でも幼少期につくられて影響が大きいスキーマを「早期不適応的スキーマ」と言います。
そしてヤング博士によると、それは18種類に類型化できるとされています。
例えば、「私は無価値」「私は厄介者」「私は役立たず」など、自分が前提として好ましくない存在であるか欠陥があるというような内容のスキーマは、欠陥/恥スキーマと呼ばれます。
「私は攻撃される」「私はいじめられる」「私は怒られる」など、自分はひどい扱いを受けるという内容のスキーマなら不信/虐待スキーマと呼ばれます。
「私は見捨てられる」「私は捨てられる」「私はほったらかしにされる」など、関係がなくなり、養育やサポートが受けられなくなるという内容のスキーマなら見捨てられ/不安定スキーマと呼ばれます。
私の経験上、もっとも多くの人にあり、もっとも大きな影響を与えている早期不適応的スキーマは、「欠陥/恥スキーマ」「不信/虐待スキーマ」「見捨てられ/不安定スキーマ」「失敗スキーマ」「罰スキーマ」の5つです。
3種類ある人間の記憶
ところで、人間の記憶には3種あると言われます。
それは、1・意味記憶、2・エピソード記憶、3・手続き記憶、の3種類です。
この分類で言えば、スキーマは、明らかに意味記憶に属しています。
子供のころの思い出や恐怖体験といったものはエピソード記憶に属します。
自転車の乗り方や、怒られた時のお決まりの反応などは、手続き記憶に属しています。
ここでトラウマのしくみについて考察してみます。
ある人が幼少期に父親から虐待を受けたとします。
その結果、意味記憶には、「私は攻撃される」というスキーマが残ります。
エピソード記憶には、虐待の記憶が残ります。
手続き記憶には、虐待を受けているときに丸まって顔を手でおおう仕草がお定まりの動作として記憶されました。
そして大人になってからも、男性の声で怒鳴られると異常な恐怖におののき、幼少期の体験のフラッシュバックが起き、そして体を丸めて手で顔をおおう仕草をします。
このとき、怒鳴られると
1・「私は攻撃される」というスキーマによって自分は攻撃を受けるだろうという予測感がじ
2・エピソード記憶の中から過去に似た状況に遭遇した時の記憶が呼び出され
3・さらに手続き記憶の中から過去の似た体験のときに少しでもダメージを和らげるのに役立った対処(コーピング)が呼び出される
ということが起きていると考えられるのです。
言うなれば、不信/虐待スキーマと、不信/虐待エピソードと、不信/虐待コーピングの間に関連づけがなされた形で保存されているのです。
コンプレックスを新しく定義づける試み
複合体=コンプレックスという言葉を使うなら、このような異なる様式の記憶と、それらの関連づけによるネットワーク全体を指すという新しい解釈をすると、心のしくみとして分かりやすく解釈できるのではないでしょうか?
すると、従来の心理療法はどこに対して働きかけていたのか、どういう役割、位置にあったのかも整理できるように思います。
認知療法、スキーマ療法は、意味記憶の中のスキーマに対して
ヒプノセラピーやNLPの中でもタイムラインを用いる技法はエピソード記憶の中の体験に対して
行動療法や自己啓発など考え方や行動から変える方法は、手続き記憶に対して
それぞれ働きかけているのだと考えられるのではないでしょうか?
従来の心理学は、学派、流派ごとに固まり、その学派、流派の中だけで使われる概念があり、互換性や共通性を見いだしたり、それぞれの位置関係を整理することが難しく、バラバラにおかれていたように思います。
このことが、こともと理系出身の私にとって、非常に違和感を感じた点でした。
理系の学問も細分化されてはいますが、共通の概念や、異なる概念や単位の互換性があります。
だからこそ異なる理論同士を組み合わせてさまざまな応用技術を生みだせるわけです。
理論物理学に統一理論があるように、心理学にも統一理論が必要だというのが私の立場です。
心理学を統合する試み
私が独自に体系化し、今も発展し続けているリバティウィングス・プログラムというのは、実は心理学の統一理論とその応用を指向したものです。
認知行動療法、NLP(神経言語プログラミング)、トランスパーソナル心理学、ロベルト・アサジョーリのサイコシンセシス、マズローの人間性心理学、古神道の一霊四魂、脳科学、それに測定器を使ったデータから独自に研究した理論などを統合してきました。
その結果、従来の心理療法の常識からは考えられないほど、深く早く正確に楽に、潜在意識の最深部から変化を促し、心の問題を解決する、個人の可能性を広げる、願望の実現をサポートすることが可能になりました。
理論は膨大なものになりましたが、その中心になる部分を、誰でも理解できるように平易に解き明かした著書を2014年3月に出版しました。
「すべては変えられる/『思考』をつくる心の奥の秘密」というのがそれです。
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