まず、消化器系を休ませることで、機能を回復させることができます。食を断つと小腸からモチリンという特別なホルモンが分泌されて、腸の特殊な蠕動が起こり、宿便を排出させ腸を正常な形に戻します。そして、消化され残った食物残渣を餌にしていた腸内細菌がいったん死滅します。すると、腸の防衛に当たっていた莫大な数の免疫細胞が解放され、体中をきれいにするために活発に活動をし始めます。また、48時間くらいで、糖新生といって、脂肪から糖質を合成する代謝が起こり、無駄な脂肪が燃え始めます。特にアレルギー体質の方は、体内に蓄積されていたアレルゲンが処理され、消化器系の機能が回復することや、免疫系の負担が減ることなどで、体質改善が望めます。
断食をして3日目くらいになると、嗅覚や味覚が非常に鋭敏になります。本当に体に良い食べ物を食べたくなることでしょう。その後、きちんとした復食の過程を経ると、食物の素材そのものが持つうまみを深く感じられるようになるので、おいしく食べられ、味付けも薄くてすむようになるでしょう。そして、体が軽く、感覚が鋭敏になり、肩こりなどが軽くなり、宿便が出た後は、赤ちゃんの便のように悪臭のない便になることでしょう。
これは、消化が正常に行われ、腸内細菌バランスが善玉菌の圧倒的優勢になり、血液がきれいになり、嗅覚や味覚が正常な状態にリセットされたことを意味します。これをきっかけにして、健康的な生活を心がけることで、効果を持続させることができます。 |