第3部 癒しへの道のり
まず生理機能のサポートを
長くつづいたストレスの結果、うつにおちいった場合、生理的なトラブルが起きているということは理解していただけたと思います。だから適切な生理的サポートが必要なのです。
脳の神経細胞から放出されたドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンなどは、信号を伝えると再び神経細胞にとり込まれて分解されます。うつの場合、こうしたものが不足しているのです。そこで、抗うつ剤というのは、それらが神経細胞に再び取り込まれるのを阻止する働きをします。中でも、セロトニンに作用するタイプ、ドーパミンとノルアドレナリンに作用するタイプ、それら両方に作用するタイプがあります。だから、人によって効く薬がちがいます。また、自分でセロトニンやドーパミンを作り出すはたらきそのものを高めてくれるわけではなく、副作用が出ることもあります。医師からよく説明を受け、納得のできるかたちで治療計画を立てましょう。
自然な方法にも注目しよう
ヨーロッパなどでは、うつに対して化学薬を処方する前に、
まずセントジョンズワートというハーブを処方しています。このハーブは、松果体の機能を活性化し、大脳辺縁系や、視床下部の働きをととのえるものです。残念ながら、多くの抗うつ剤と併用が出来ません。抗うつ剤の体内での分解を早めるので、効き目をなくしてしまうからです。まだ、さほど重症でなく、対処に猶予があり、化学薬を使っていないならば、このハーブをお勧めします。
酵素飲料、葉酸(ニューロンの再生に必要だが欠乏しやすい)、鉄(脳自体の機能と酸素の供給に必要)、5−HTP(トリプトファンの一種、セロトニンの原料)、チロシン(ドーパミン、ノルアドレナリンの原料)、グルタミン(GABAの原料、腸粘膜の修復、アルコール依存の軽減)、などの補給が有効な場合があります。⇒セントジョンズワート
波動療法による癒し
あまり知られていませんが、アメリカで開発されたMRAやヨーロッパで開発されたアストレアという、波動を測定し、調整する装置があります。これらを使って必要な情報を転写した波動水(マイクロクラスター水)を飲んでいただくことで、心や体をつかさどる微弱なエネルギーがととのい、自然治癒力がはたらくのです。
抑うつ状態にある人を測定すると、たいていは、大脳辺縁系、海馬などの器官や、トリプトファン、ドーパミンなどの項目で、エネルギー状態の異常があり、抑圧された怒り、批判に対する恐れ、自責の念などが蓄積されていることが分かります。それに、腸内細菌バランスの乱れ、鉛や水銀、カドニウムなどの蓄積も影響している場合が多いです。
波動の乱れとして キャッチできたものは必ず修正出来ます。そうすることで、細胞が本来の状態を思い出して、治癒力がはたらくのです。実際に、栄養と波動を組み合わせることはとても効果的です。
また、有害ミネラルの蓄積が大きく関わっている疑いがある場合、厳密には毛髪ミネラル検査という方法がありますが、具体的な分析結果に基づいて効果的なデトックスを行うことが出来ます。
アロマテラピーによる癒し
アロマテラピーも、うつに対してよい手助けになる方法です。うつか、うつになりかけている人は多くの場合、交感神経優位で体もこわばっています。それをほぐすことで心も楽にすることができるのです。トリートメント自体が、深いリラックスや、心地よさをもたらしますが、それに加えてアロマオイル自体も、自律神経や脳内神経伝達物質にはたらきかけるのです。
例えば、真正ラベンダーやベルガモットに含まれる、酢酸リナリルという成分は、交感神経の緊張を緩和しますし、リナロールという成分は、セロトニンの分泌を促します。またローズやイランイラン、ゼラニウムは、ドーパミンの分泌を促し、幸福感をもたらします。
自然療法の中で、アロマテラピーは、うつなど心の問題に対する効果が最も科学的に研究されている分野です。トリートメントを受けるだけでなく、日常生活に取り入れることも出来ます。
→クリアヒーリング
心理セラピーによる癒し
うつになる背景には、生い立ちの過程で受けてきた心の傷、これまでの価値観、状況の受け止め方などが、複雑に絡み合っています。
心理セラピーによって、過去に受けてきた心の傷を癒したり、自分の人生にとって本当に大切なことは何なのか整理したり、より適切な反応パターンを身につけるなどして、よりよく生きてゆけるようにすることができます。
うつになる人の多くは、たいがい働き者で、努力家で、自分を責める傾向があり、ほかの人の期待に一生懸命応えようとする「いい人」です。でも、あまり報われなかったのです。
多くの場合、本当には「自分」を生きてこなかったのです。自分で自分をどう思うのかを他人にゆだねて生きてきたのです。
そういう生き方がうまく行かなくなった時、それは変わるチャンスでもあるのです
心から納得のゆく生き方を求める旅の始まりです。
自分が心から信じる価値にしたがって、もっと大局観をもって生きることが出来たらどんなに人生が変わることでしょう?
さあ、癒しの扉を開けてみませんか?
(イラスト 波動教育社 『いのちからの伝言』より)