全粒粉パスタを使った基本メニュー 全粒粉スパゲッティやマカロニは、白いパスタとはだいぶ食感が違います。ですから、全粒粉パスタに合う食べ方をすることが大切です。 一般的な食べ方では、アラビアータソースとそのバリエーションに関しては、全粒分パスタによく合います。 しかも、トマトソース自体もGIを引き下げますし、ニンニク、トマト、トウガラシはいずれも強力な抗酸化食品です。あとは、好みに応じて硬質チーズを振り掛けます。硬質チーズとは、脂肪や水分を抜き取りながら乾燥させたチーズで、チーズおろしで削りおろすなどして使います。粉チーズとして缶入りでも売っていますが、おろしたてにはかなわないでしょう。ペコリーノ、パルミジャーノ、パダーノなどがあります。低カロリーでたんぱく質、カルシウムは濃縮されています。 全粒粉パスタのアラビアータは、 地中海風の低GI・脳内快楽食のひとつの基本です。 念のため、作り方のあらましをいいますと、 アラビアータ(2人前 ) @トマト缶詰(イタリア産がおすすめ)1缶分をブレンダーにかけておく Aフライパンにオリーブオイルをひき、おろしたニンニクを熱する Bトウガラシ1本分を種を抜き、刻んで加える。 C 白ワインを加え、トマトを加える。 D 塩で味を調え、パスタをからめる。 これを基本に、ベーコンを加えたり、魚介類を加えたりしてバリエーションがつくれるのです。 ほかには、野菜を加えたペペロンチーネ系、イタリア風の野菜炒めといってよいカポナータ系、バジルペーストのジェノベーゼ系などがよく合います。 具を加えたペペロンチーネ系 最もベーシックなスパゲッティの食べ方のひとつ、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーネ(ニンニクとトウガラシ)が本当においしいお店は、たいがい何を食べても美味しいものです。単純なようで、本当に基本がしっかりしていることが大切なんですね。 オリーブオイルの風味を損なわないためには、熱しすぎてはいけません。基本は弱火です。ニンニクは、包丁の背でつぶすか、均等にスライスして使います。スライスした場合には、じっくり加熱していって、乾いた感じになったら火を止めておきます。後は余熱でほんのりと色づきます。絶対に焦がしてはいけません。トウガラシは、種を抜いて加えますが、こちらも焦がしてはいけません。油に辛味が溶け出して、色鮮やかな状態で仕上げます。 パスタをからめる過程にちょっとしたコツがあります。パスタは、標準茹で時間より2分早くタイマーをセットして、硬さを見ながらかなり早めにあげ、茹で汁は少しとっておきます。ます。そしてソースにからめるときに、お玉でほんの少しづつ何回も茹で汁を加えてゆきます。それでオリーブオイルが乳化しならがらパスタに絡んでゆくのです。これがツルツル、シコシコに仕上げるコツです。 さて応用です。ほかに材料を加える場合には、スライスしたニンニクに程よく火が通ったところで別皿にあげてしまい、あとで上からトッピングするという方法があります。その時、ニンニクと共に、小魚や、アーモンドスライスを加えることも出来ます。 また、パスタをゆでるとき、茹であげ時間より3分前に、ちぎったキャベツを一緒に鍋に放り込むと、程よく茹で上がります。これはぜひ試してください。一般的に日本人はあまりやらないかもしれませんが、スパゲッティとキャベツはよく合うのですよ。 右のメニューでは、ニンニクスライス、小女子、アーモンドをオリーブオイルで熱し、かりっとした感じになったところで別皿にあげておき、パスタとともにキャベツをゆでてつくりました。タイミングよく仕上げると香ばしくて本当においしいです。 白いパスタでバリエーション 一方、白いパスタがよく合う食べ方もあることは確かです。白いパスタであっても、GIは65、ソースや具の合わせ方によっては十分GI60以下をクリア出来ます。また、胚芽入りならばほとんど食感は白いパスタと変わらず、よりベターです。トマト系ソースならクリアすると思いますが、ここではさらにオリジナルの豆乳クリームソースを紹介したいともいます。 私は、いろいろな食の楽しみを知ってしまっている今の日本人が、食べることを楽しみながら生活習慣病も老化も予防できる食卓のデザインについて研究する中で、日本食と共に、地中海料理に注目し、それぞれの長所を融合させることを考えました。そして幸いにも、融合させやすかったのです。 中でも、日本の伝統食の中で非常に大きな役割を果たしてきた食材としては、大豆とその加工品を上げることが出来ます。豆類全般に言えることですが、穀物に足りないリジンなどのアミノ酸を補い、GIを低く抑え、レシチンの働きで動脈硬化を抑制し、サポニンのはたらきで過酸化脂質(油が酸化してできる毒素)を中和し、ファイトエストロゲンと呼ばれる植物性善玉エストロゲンが女性ホルモンのバランスを整えます。 大豆は、こうした豆類のエースであり、しかも加工品のバリエーションが多く、癖がなくてあらゆる調理法、味付けになじみやすいのです。 私は、豆乳を生クリームの代わりに使えないかということを研究し、豆乳クリームを料理に活用しています。豆乳自体のGIは、なんと23、ミラクルフーズといってよいでしょう。 豆乳は、白ワインやトマト、あるいは自然塩を加えて加熱すると凝固します。そこで、凝固させてしまってからブレンダーにかけます。 具体的な手順としては、タマネギとセロリの微塵をオリーブオイルでじっくり炒め、白ワインとブイヨンを加え、ひと煮たちさせてから、豆乳と、粉チーズ(できれば、パルミジャーノかパダーノ)、塩、胡椒を加え、しっかりと凝固してきたら、ブレンダーにかけます。このとき、ブイヨンか水で硬さを加減します。ソースで使う時にはゆるめに、グラタンに使う場合には硬めに調整します。 これだけで、クリームソースとして使えますので、例えば、白マイタケ、白シメジ(ブナピー)、マッシュルームなど白いキノコばかりを使って、仕上げに白トリュフオイルで香り付けしたりするとこれはもうご馳走です。これは、ホワイトデーの企画として考えたメニューです。 他に、これを生クリームの代わりに使って、サーモンとホウレン草をあわせたり、ベーコンとタマネギ、卵黄をあわせてカルボナーラ風にすることも出来ます。 ブレンダーにバジルの葉を加えて、バジルクリームソースにすることが出来ます。この場合には、最初にタマネギとセロリを炒める時にニンニクも加え、最後の仕上げに軽く炒って、砕いた松の実を加えます。バジルを加えてからはあまり加熱しないほうが色鮮やかに仕上がります。このソースは、リングィーネによく合います。 トマトを加えて、トマトクリームソースにすることも出来ます。この場合にも、最初にニンニクを加えておきます。おすすめとしては、このソースは、エビ、マッシュルームによく合い、またパスタは、フィトチーネがよく合います。 パスタ以外のメニュー ここまでは、もっぱらパスタを使ったメニューを紹介してきましたが、ほかにも胚芽パンと魚料理の組み合わせであれば、たいていは、比較的ローカロリーで、低GI・脳内快楽食の要件をクリアできます。 また、 残りご飯を、豆乳クリームを使ってドリアにすることが出来ます。この場合、タマネギと、加えたい材料、(エビ、キノコ、ホタテ、サーモンなどがよく合います)、小麦粉をふって炒め、そこに豆乳クリームを混ぜておきます。残りご飯をオリーブオイルを薄く塗ったキャセロールにのばし、その上にこれをのばして、粉チーズをふってオーブンで焼きます。これは、残りご飯がご馳走になってしまう「残飯の錬金術」です。 様々な魚料理や、これら以外の料理は別な章で紹介します。さあ、あなたも、低GI・脳内快楽食にトライしてみませんか? ⇒「癒しの食卓」TOPに戻る
ミートソース風ベジソース 見かけはミートソースに似ていますが、実は、ゴボウ、ニンジン、椎茸の微塵切りをニンニクとともにオリーブオイルで炒め、赤ワインにトマトピューレー、赤味噌を加えて煮込んだソ
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