カウンセリング用質問フォーム
解説
1~10は、欠陥/恥スキーマに関する質問です
幼少期の虐待は、幼少期には養育者が何か誤りを犯すとは思わないために、不適切な扱いを受けると、自分が何かよくない存在であるに違いないと信じてしまいます。また虐待に当たることではなくても、養育者がいつもイライラしていたり、疲れ切った様子だったり、夫婦喧嘩が繰り返されると、それらを自分のせいだと感じてしまう傾向があります。
欠陥/恥スキーマは、ひとたび形成されると、自分の特徴は何でも欠陥だと思い込む傾向があり、例えば背が高くても低くても鼻が高くても丸くても、どっちにしてもそれをみっともないと感じてしまうといった具合です。
また、欠陥/恥スキーマがあると、人と親密になるといつか、相手が自分に失望したり、見損なったり、腹を立てたりするに違いないと明確な根拠がなく思う傾向があり、また、目立ったりすれば、きっと批判や非難や侮蔑を受けるだろうと感じ、常に人の優れたところを探しては自分と比較して、それに引き替え自分はダメだと考える傾向があり、そのため「自分は常に人より劣っている」という思い込みを持ちますが、この思い込みは、欠陥/恥スキーマの結果であって原因ではないので、このフレーズで引き抜いても再生します。
11~20は、不信/虐待スキーマに関する質問です
ただし、不信/虐待スキーマが存在する場合には、必ずと言っていいほど欠陥/恥スキーマも存在し、欠陥/恥スキーマが残っていると再生してしまう傾向があります。
21~30は、不安定/見捨てられスキーマに関する質問です
このスキーマは、しばしば、過剰補償として、相手を疑う、頻繁にメールや電話をして、繋がらなかったり、返信がすぐに帰ってこないと不安になる、交際相手やパートナーの浮気を疑い嫉妬し、交友関係を異常に気にし、メールをチェックしたり、探りを入れたりする傾向を生み出します。
31~33は、情緒的剥奪スキーマに関する質問、
34~36は、社会的孤立/疎外スキーマに関する質問、
37,38は、依存/無能スキーマと巻き込まれ/未発達の自己スキーマにまたがる質問、
39,40は、巻き込まれ/未発達の自己スキーマに関するものです。
41,42は、失敗スキーマに関する質問、
43,44は、罰スキーマに関する質問、
45,46は、厳密な基準/過度の批判スキーマに関する質問、
47,48は、犠牲スキーマに関する質問、
49は、服従スキーマに関する質問、
50は、否定、悲観スキーマに関する質問です。
「他者への追従」領域に属する、服従スキーマ、自己犠牲スキーマ、「過剰警戒と抑制」領域に属する、感情抑制スキーマ、厳密な基準/過度の批判スキーマは、二次スキーマ(条件スキーマ)と呼ばれるもので、これらが存在するときに、必ず一次スキーマ(無条件スキーマ)が存在します。
それらを連結すると「~すると~される」「~しないと~される」といったフレーズであらわすことができます。多いのが例えば「従わないと怒られる」とか「失敗すると罰を受ける」「完璧でないと責められる」といった内容のものです。
このシートは、すべてのスキーマを網羅するものではありません。
特にに重要な、そしてほかのスキーマの基盤となっている場合の多い欠陥/恥スキーマ、不信/虐待スキーマ、見捨てられ/不安定スキーマを中心にしています。
これらのスキーマの解消が不完全なまま、ほかのスキーマのワークを行っても、再生することが多いので、特にしっかりワークする必要があるという認識に基づいています。
二次スキーマ(条件スキーマ)は、一次スキーマ(無条件スキーマ)が解消するにつれて緩和、解消してゆく傾向がありますが、それらに焦点を当てて実際に緩和、解消に向かっているかどうかを確認する目的においては、別な質問紙が必要になると思われます。
10個ごとのクラスターでの合計点で、30を超えれば、相応の影響を受けており、40を超えた場合には顕著な影響を受けていると考えられます。20未満が健全な状態と考えられます。